こんにちは~!Dr.Denです。
今日は若手の先生や、医療情報に興味のある患者さんに向けての記事を書きたいと思います。
最近は本当に医療情報にアクセスしやすくなって、google先生に聞いたら大概の事は検索結果として表示されてきます。
しかし、その結果が得られた、という事よりも大事なことは「その結果は本当に正しいか?」という点です。
一時期は「We〇Q」など、内容の胡散臭さに卒倒しそうなキュレーションサイトが横行してどうなることかと思っていました。ありがたいことにインターネットの自浄作用というか、流石のやり過ぎのためにしっかり淘汰されてくれて本当に良かったと思います。(この一件は私がこのサイトを立ち上げようと思ったきっかけの一つです。)
以前に比べてだいぶ改善されてきたとは思うのですが、検索結果はどうしても、その結果が客観的に真実を表しているかどうかに関してまではなかなか判断ができません。その情報の確からしさは、確かな情報筋からの情報なのか、その人の主観が混じっているのか、それとも全くの想像なのか・・・。
最近は自己責任、という便利な言葉が横行していますが、医療従事者としての立場で情報を発信する時に、本当に正しい情報を知りたい相手を前に、何でもかんでも書き散らかし、言い散らかして相手の判断に委ねるという無責任なことをする訳にはいきません。少なくとも私はそう思っています。
なので、心ある医療従事者は出来るだけ正しい医療情報を入手して発信しています。
では正しい医療情報ってどういうところで入手できるの?と疑問に思われるとおもうのですが、実は、医療の世界にはいくつかの信頼できるデータベースがあるので、ご紹介させていただきたいと思います。
(因みにこのホームページは商品の所感など一部個人的な感想も含まれていますが基本大学で習った内容や大学主催のセミナーなど、一応エビデンスのしっかりした内容で構成しておりますのでご安心を…。)
各種学会のホームページ
医療業界では、各分野に学会があり、研究の発展や各種啓蒙のためにホームページを運営していることが多いです。学会は、今世の中で広まっている新しい治療法などに関しては論文を中心に客観的に評価して、学会としての意見を挙げてくれていることがありますので、「こういう新しい治療法があるんだけどどうなんですか?」と聞かれるような事柄に関しては普段から目を通しておくといいと思います。
各種学会のホームページはたくさんありますが、有名どころはこんな感じでしょうか。
日本歯科保存学会
http://www.hozon.or.jp/
日本歯周病学会
http://www.perio.jp/
日本小児歯科学会
http://www.jspd.or.jp/
小児歯科学会の中に一般の方向けのFAQがあります↓
子どもたちの口と歯の質問箱
http://www.jspd.or.jp/contents/main/faq/index.html
日本口腔衛生学会
http://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/index.html
これ以外も学会はたくさんあります。有名どころは「日本〇〇(〇〇のところは診療内容。補綴とか矯正とか)学会」という名前が多いので、これを参考にまた検索をしてみてください。
Pubmed
Pubmed
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed
これは生命科学系の研究者にはおなじみの、生命科学系の論文の検索サイトです。
NLM(米国国立医学図書館:National Library of Medicine)内の、NCBI(国立生物 科学情報センター:National Center for Biotechnology Information)が作成しているデータベースで、検索カラムに英語で入力すると、該当した論文がずらっと出てきます。
アブストラクトという大体の内容までは無料、論文の内容まで必要だったら別途費用が掛かります。
ただ、注意しなければならないのは、検索結果が全部英語で出てくることと、検索結果の解釈(影響力のつよい論文か、動物実験か、臨床実験か)は自分で判断しないといけない、などかなり玄人向けの内容になっています。
最近は無料の医療翻訳サイトもあるようです。日本語訳も完璧ではないもののそこそここなれています。
自動翻訳ツール 熟考によるPubmed検索サイト
http://pubmed.jukkou.com/
医中誌
医中誌web
http://demo.jamas.or.jp/
「医中誌 Web」とは、特定非営利活動法人 医学中央雑誌刊行会が作成する国内医学論文情報のインター ネット検索サービスです。「医中誌 Web」では、国内発行の、医学・歯学・薬学・看護学及び関連分野の定 期刊行物、約 6,000 誌から収録した約 1,000 万件の論文情報を検索することができます (特定非営利活動法 人 医学中央雑誌刊行会ホームページより)。
と、国内発行の医学論文の検索、閲覧ができるのが医中誌webです。日本語で発行された論文なので検索がしやすいです。ただ、日本語なので、若干内容がローカルなものになっています。医中誌も基本は有料で、今回リンクした医中誌デモ版は2014年までの論文は閲覧できるようになっているようです。
コクラン共同計画

前の前に挙げたPubmedはたくさん論文が出てくるけれども、結局この件に関しての結論はどうなのよ、と思うことが多々あります。
それをシステマティックレビューという形で評価してくれた結果を掲載しているのがコクラン共同計画です。
システマティックレビューとは、ざっくりいうと、一つの分野で複数の論文が出ているものに関して横並びで検証を行い、結論を導いてくれるという分析です。
コクラン共同計画に関しての詳しい解説サイトがありました。とくにこのサイトの動画は、システマティックレビューの考え方など丁寧に説明されています。
http://www.wiley.co.jp/electronic/ebmproduct.html
医療情報でよく議論されて、過去に多く調査研究されているものの関してはここに取り上げられていることが多いので是非一回確認してみるのをおすすめします。私は結構おススメです。歯科の情報もそうですが、医科の情報も、門外漢でも結論に関してシンプルに導いてくれているのでコクラン先生にはよくお世話になっています。
ここも、概要までは無料ですがすべて知りたい場合は費用が掛かってきます。
主要な論文に関しては多くのボランティアによって日本語訳されていますので、そちらも是非ご参考に。
コクランにはたくさん歯科の情報も載っていて、まだ日本語になっていないものも数多くあるので、また折をみてご紹介できればな、と思います。
皆さんがより安心な医療情報に出会えることをお祈りしております!
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