「「口臭外来」ってどんな検査をするんだろう…。」
「お口が臭い」という事が漠然と分かっていても、具体的に自分はどのくらい臭いがするんだろう…。口臭外来の良い所の一つとして、自分で一人で悩んでいる口臭について、数値を用いて客観的に教えてくれるところにあります。では、そのように客観的な評価はどのような手法を用いて行われているのでしょうか?今回は口臭外来でいったいどのような検査が行われるのかについて詳しく解説します!
口臭外来の検査でわかること
口臭外来の検査では①問診、②口腔内の検査、③機器による口臭測定、④官能検査が行われます。それぞれの検査を通じて、患者口腔内に関係する生活習慣、口臭に対しての心理状態。口腔内の口臭の原因の可能性となる状況、口臭の強さ、質、などが明らかになります。
口臭外来での検査①問診
口臭外来に来たら、まず問診が行われます。問診の項目としては以下のようなものがあります。
- 口臭の既往歴 いつから口臭を感じているのか、どうして気づいたのかなど
- 口腔内の自覚症状 口腔内や舌の違和感があるかなど
- 口腔清掃について 口腔清掃習慣や使用器具など
- 口腔に対する気持ち 口臭に対してのつらい気持ちについて、口臭が消失した時に行いたいことなど
を問診し、患者さんの心理面、生活習慣面などについてチェックを行います。
口臭外来での検査②口腔内の検査
口腔内の検査に関しては
- 虫歯の有無の検査
- 歯周病で行う一般的な検査(歯周ポケットの深さ、出血、動揺度など)
- 口腔清掃状態の検査(プラークがどれくらい付着しているか、舌苔の検査)
- 唾液流量の検査
など、通常の歯科医院でもよく行われている検査を実施します。
口臭外来での検査③口臭の測定
口臭の評価をする時は、口臭の量的な評価(口臭が強いか弱いか)と口臭の質的な評価(口臭がどのようなにおいがするのか)という事を組み合わせて行います。口臭の量的な評価な評価は、ガスクロマトグラフィー、ガスセンサーなどが使用し行われていて、質的な評価には官能試験が行われています。以下にそれぞれの評価についてと、使用する機器、方法について記します。
機器による口臭測定(量的評価)
口臭は主に口腔内で産生される揮発性硫化物(VSC)によって発生します。
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口臭の元になる揮発性硫化物はだいたい決まっていて、主に、硫化水素(歯磨き不良の時に多い)、ジメチルメルカプタン(歯周病と深く関係する)、硫化ジメチル(磯のようなにおいで体の代謝障害で上昇。ほとんど出ない)の3種で構成されています。
この3種類を以下のような機械を用いて測定します。
ガスクロマトグラフィー
ガスクロマトグラフィーは化学物質の分析によく用いられる機械で、呼気中の化学物質を分離し、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化ジメチルがどのくらいの分量入っているかを評価します。正確な結果はでるのですが機械が大がかりで簡便に調べられる検査ではないので、主に大学病院などの研究も兼ねた専門機関でよく行われています。
ハリメーター
ガスセンサータイプの口臭の特定に特化された機器で、口臭検査によく使用されています。口腔の原因である揮発性硫化化合物(VSC)を1/10億ppb単位で測定します。閉口3分の後、30秒測定、これを3回繰り返した平均値を値として使用します。
ブレストロンⅡ
フィルターの付いたマウスピースをくわえると口腔内の息が30秒吸引され、その息を測定します。口臭の原因である揮発性硫化物(VSC)3種を検知し、4段階評価で結果が危機からプリインとアウトされる方式で出てきます。比較的短時間で手間がかからず結果が出るタイプの口臭測定器です。
オーラルクロマ CHM-2
専用のシリンジをくわえたまま30秒息を留め、その後シリンジを使用して口の中の息を吸引し、その息を測定に使用します。ガスクロマトグラフ方式で口臭の原因である揮発性硫化物(VSC)3種を測定します。ソフトウェア上でデータが出てくるので判定や解析を行う事もできます。測定時間は4分ほどです。
機器による口臭測定の利点
機器による口臭測定は数値として現在の状況がでてくるので、自分の口臭の状況が客観的に把握できるので説明が分かりやすくなります。
また、治療の前後で数値が比較できるので改善状況なども把握しやすいです。
官能試験
官能試験とは、普段から口臭に関して訓練を行った人によって口臭を評価する方法です。定量化することが困難で場合によっては説得力が弱く感じられますが、口臭を総合的に判断することが出来、今でもよく使用されている方法です。口を閉じ鼻で30秒呼吸してもらった後、臭いのしない袋を用いて息を採取し、人の鼻をもちいて、0から5の6段階評価で評価します。
このように、口臭外来では様々な検査を行い総合評価で口臭について評価しています。
いかがでしたか?あまり知られていない口臭外来ですがこのようなことを行っています。すこしでもあなたの疑問の解消にお役に立てればうれしく思います!
★★オーラルケアまめ知識★★
舌苔はべろの付け根、有郭乳頭といういぼいぼのあるところのまえらへんが一番ついています。このあたりを↓のような舌ブラシを使って取るのがおススメです。
ブラシの先を水につけてから、奥から前に4~5回こすりましょう。強くこする必要はありません。
こすったあと透明なコップでブラシの先を洗います。これを数回繰り返し、コップの中の水の濁りが消えるまで汚れが取れたら終了です。
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