市販の洗口液と液体歯磨きの違いについて。違い・使い分け方など

洗口液と液体歯磨きの違いケア用品選び・方法

お店のオーラルケアの売り場で「マウスウォッシュ」「デンタルリンス」の棚を見ると、同じようなボトルに入っていますがかたや「洗口液」と書いてあり、その隣には「液体歯磨き」と書いてある似たようなボトルが売っていますよね。

この二つの商品にはどのような違いがあるのでしょうか?

※歯科医院での専売品はまた話が異なってくるので今回はスーパーなどで買える市販品に限ってのお話です。

  1. 「液体歯磨き」は使用するときにブラッシングが必要。「洗口液」は歯ブラシ後に使用する
  2. 「液体歯磨き」と「洗口液」、実は「配合されている有効成分」以外の部分にはあまり違いはない。
  3. 液体歯磨きは「歯周病の予防」など、お口の病気に対しての有効成分の効果が高い歯磨きを作りたいという意図で開発された。
    1. 殺菌に関係する有効成分は実はペースト歯磨きより液体歯磨きに配合されたもののほうが効果が高い。
    2. 虫歯や歯周病を予防するには歯磨きで汚れ(プラーク)を落とすことは必要不可欠。だから液体でも歯磨き剤ならブラッシングは必要。
    3. では、洗口液にはどういう効果があるの?
  4. 「液体歯磨き」の「ペースト状の歯磨き剤」の違い
    1. ペースト状の歯磨き剤と液体歯磨きの異なるところ⓵研磨剤
    2. ペースト状の歯磨き剤と液体歯磨きの異なるところ⓶フッ素
    3. ペースト状の歯磨き剤と液体歯磨きの異なるところ③有効成分の効果が高い
  5. ペースト状の歯磨き剤、液体歯磨き剤、洗口液はこう使い分ける!
    1. ペースト状の歯磨き剤 こういう時におすすめ
    2. 液体歯磨きの良い点 こういう時におすすめ
    3. マウスウォッシュ こういう時におすすめ
  6. 液体歯磨き・洗口液 商品別特徴と一覧
    1. 液体歯磨き 商品一覧
    2. 洗口液 商品一覧
  7. どれを使用するとしても、「ブラッシング」をして、「プラークを除去」しないと虫歯・歯周病の根本的な予防はできません
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「液体歯磨き」は使用するときにブラッシングが必要。「洗口液」は歯ブラシ後に使用する

よく似ている二つのボトル。一見するとよく分かりませんが、実は「液体歯磨き」というものと「洗口液」というものの2種類が存在するんです。表からは見分けがつきにくいのですが、裏の表示を読むと「液体歯磨き」「洗口液」の表示がされています。

この、「液体歯磨き」と「洗口液」は使い方が違います。

「液体歯磨き」は使用する時に一緒に、またはぶくぶくしたあとで歯ブラシでのブラッシングがいります。

「洗口液」のほうは歯磨きし終わった後に使用します。

よく似ていますが、液体歯磨きはどちらかと言ったらペーストのハミガキに近い使用方法です。

このように似ていて異なる「液体歯磨き」と「洗口液」どのような違いがあるのでしょうか?

「液体歯磨き」と「洗口液」、実は「配合されている有効成分」以外の部分にはあまり違いはない。

洗口液と液体歯磨きは、実は「配合されている有効成分」と「清掃助材」以外はほとんど違いがありません。

一例としてガムデンタルリンス(液体歯磨き)とガムナイトケア(洗口液)の成分を下に記します。

ガムデンタルリンス(液体歯磨き)

基材:濃グリセリン/可溶化剤: POE硬化ヒマシ油/香味材: 香料(ハーブミントタイプ)サッカリンNa/薬用成分:塩化セチルピリジニウム(殺菌剤CPC)グリチルリチン酸2K(抗炎症剤GK2)塩化ベンザルコニウム(殺菌剤BKC)/pH調整剤:クエン酸Na 無水クエン酸/防腐剤:パラベン/清掃助剤:ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンエチル・DL-PCA塩

ガムナイトケア(洗口液)

(成分)基材:濃グリセリン/可溶化剤:PG、POE硬化ヒマシ油/香味剤:香料(ナイトハーブ)、マルチトール、サッカリンNa/薬用成分:塩化セチルピリジニウム(殺菌剤CPC)、トラネキサム酸(TXA)/pH調整剤:クエン酸Na、無水クエン酸/防腐剤:パラベン

と、違うところを太字にしてみました。

 

なんのこっちゃ、だと思うのですが、

洗口液になくて液体歯磨きにあるものを見ると、

有効成分である

グリチルリチン酸2K(抗炎症剤GK2)

塩化ベンザルコニウム(殺菌剤BKC)

清掃助剤である

ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンエチル・DL-PCA塩

が配合されています。

この清掃助剤というのは、歯磨きの際に歯の汚れを落としやすくする作用をもつ成分で、界面活性剤の働きを持ち、汚れをつきにくくしてくれるものです。

この液体歯磨きには清掃助剤が入っていましたが、液体歯磨きの中には配合されていないものも多いです。

と、なると、違いは有効成分だけになってきます

液体歯磨きは「歯周病の予防」など、お口の病気に対しての有効成分の効果が高い歯磨きを作りたいという意図で開発された。

有効成分の違いだけなのに、歯磨きが必要だったり必要でなかったりするの?

という疑問が生じてくるところですが、これにはこういう訳があります。。

殺菌に関係する有効成分は実はペースト歯磨きより液体歯磨きに配合されたもののほうが効果が高い。

実は、虫歯や歯周病など、菌に効果のある商品を作りたい、と思うと実はペースト状の歯磨きで作成するのには限界が出てくるのです。

ペースト状のハミガキには研磨剤が入っているのですが、実はこの材料は非常に取り扱いが難しくて、歯磨きの中に有効成分を配合しても、研磨剤の性質が邪魔をしてなかなか最大限の効果を発揮しなかったのです。

そこで、近年の歯科メーカーは今までのペースト状の歯磨きではなく、殺菌力に焦点を当てた効果の高いものの開発をしようというこ、今までの洗口液をベースとした液体歯磨きが開発されました。

虫歯や歯周病を予防するには歯磨きで汚れ(プラーク)を落とすことは必要不可欠。だから液体でも歯磨き剤ならブラッシングは必要。

「殺菌力のある成分が入っているのだったら、それでぶくぶくうがいをすれば済むのでは」と思うかもしれません。

しかし、液体歯磨きは、確かに有効成分の効果は高く発揮されますが、さすがに「ぶくぶくうがいで使用するだけ」では効果はありません。

なぜならば菌は〝プラーク”といわれる塊になっていて、歯ブラシで磨いてその塊をかき取った後のきれいな状態のお口でないと効果が発揮されないからです。

このプラークを取ってあげた歯や歯ぐきに浸透して有効成分が効くという仕組みになっています。

ですので、この有効成分を効果的に効かせるためにも液体歯磨きを使用する時には歯磨きが必須になってきます。

では、洗口液にはどういう効果があるの?

洗口液にも確かにお口に良い成分が配合されていますが、液体歯磨きよりも言える内容がライトになっています。そして、成分によっては液体歯磨きと同じものが配合できますが、液体歯磨きよりも少ない量しか配合できないなど、規制がかかっています。

その代り、味や香りなどにバリエーションがあり、爽快感やリフレッシュなどをもたらす処方になっています。

「液体歯磨き」の「ペースト状の歯磨き剤」の違い

液体歯磨きと洗口液の違いは説明しましたが、では「液体歯磨き」と「ペースト状の歯磨き」に関してはどのような違いがあるのでしょうか?

ペースト状の歯磨き剤と液体歯磨きの異なるところ⓵研磨剤

まず一番の違いは研磨剤です。ペースト状の歯磨きには研磨剤が入っており、液体歯磨きには研磨剤が入っていません。

また、液体歯磨きはペースト状の歯磨きと比較して発泡も少ないです。

ですので、液体歯磨きで磨く時は、泡立たず、白いペーストのもこもこっとした感じもないので、シンプルに歯ブラシだけを当てているような使用感です。

ペーストを使うとどうしてもあわあわもこもこの状態になるので磨きのこしに気づかなかったりするのですが、そういう事は防止できます。

しかし、研磨剤が入っていないことはいいことづくめなのかといったらそういう訳ではありません。

研磨剤は「歯が削られる」など懸念されることが多いですが、やはり、研磨剤なしの歯磨き剤でずっと磨いていたら、歯に汚れ、特にステイン等の着色汚れは蓄積していくので徐々に歯の色が黒ずんできたりする場合もあります。

ペースト状の歯磨き剤と液体歯磨きの異なるところ⓶フッ素

ペーストの歯磨き剤には90%以上のものにフッ素が配合されているのですが、液体歯磨きにはフッ素の配合が認められていないので、フッ素が配合されたものは現在ありません。

 

ペースト状の歯磨き剤と液体歯磨きの異なるところ③有効成分の効果が高い

先ほども記載しましたが、多くの場合はペースト状の歯磨きに有効成分を配合しても、なかなかその効果を存分に発揮できません。有効成分の効果で選ぶのなら液体歯磨きのほうに軍配が上がります。

ペースト状の歯磨き剤、液体歯磨き剤、洗口液はこう使い分ける!

このように、ペースト状の歯磨き、液体歯磨き、洗口液には一長一短があります。それぞれの効果を知って使い分けたらよりお口の中の健康を効果的に維持することができるはずです。

ペースト状の歯磨き剤 こういう時におすすめ

液体歯磨きとペースト状の歯磨き剤の違いは、研磨剤、フッ素の配合の有無です。

液体歯磨きはいい製品なのですが、どうしてもそれだけを使用すると歯に着色してしまうので、汚れを落とす意味合いも込めて週に何回かはペースト状の歯磨きを使用するのが良いかと思います。

また、確かに液体歯磨きにも「虫歯予防」が謳われているのですが、やはり、フッ素がはいっていないというのはこころもとなく感じます。

カリエスリスク(虫歯になりやすい)人はペースト状の歯磨きを使用し、フッ素の使用を継続するほうが良いように思います。

液体歯磨きの良い点 こういう時におすすめ

液体歯磨きは有効成分の効果が高いので、普段使いにとてもおすすめです。

小さいボトルもあり、泡立たないので、外出先などでもスマートに歯磨きはおこなえるのではないでしょうか。

また、歯科医院で「磨きのこしがあります」と言われた人、泡立たないので、どこが磨けているのか磨けていないのか、液体歯磨きだったらチェックしやすいです。

マウスウォッシュ こういう時におすすめ

マウスウォッシュは普段のハミガキの後に清涼感を残しておきたい方、歯磨きの効果にプラスしたい方などにおすすめです。

 

液体歯磨き・洗口液 商品別特徴と一覧

色々と液体歯磨きや洗口液についてお話してきましたが、では具体的にどういうものがあってどういう特徴を持っているのか、いくつか今市販されているものを挙げてみました。

液体歯磨き 商品一覧

ガムデンタルリンス

【効能】
歯周病(歯肉炎・歯周炎)予防、口臭防止

【薬用成分】
塩化セチルピリジニウム(殺菌剤)
グリチルリチン酸2K(抗炎症剤)
塩化ベンザルコニウム(殺菌剤)

サンスターは殺菌剤であるCPCの処方が上手でペーストでもかなりの効果を発揮しているのですが、さらに液体にすることにより、成分の効果がアップしています。洗口液であるガムナイトケアにも配合されているのですがこちらは濃度が高く配合されています。

実際私も使用しているのですが、歯磨きから歯磨きの間に蓄積するプラークの量が少なくなってきたように思います。

 

システマEX デンタルリンス

【効能】
歯肉炎予防・口臭防止・虫歯の発生及び進行防止

【薬用成分】
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)殺菌作用
イプシロン-アミノカプロン酸 抗炎症作用

ライオンはIPMP押しです。IPMPはプラークの中への浸透作用を持つので、バイオフィルムにも効果が期待できそうです。

ピュオーラ ナノブライト 液体歯磨き

【効能】

歯を白くする。歯肉炎の予防。口臭の防止。むし歯の発生及び進行の予防。口中を浄化する。口中を爽快にする

【薬用成分】

塩化セチルピリジニウム

効能の数は多いですが洗口液でも使用できる範囲内のものが多いです。

ピュオーラの液体歯磨きは薬効成分押しではなくて、清浄剤のエリスリトール
や湿潤剤プルランなど、口当たり、口への残りの良さに工夫を凝らしているようです。光沢剤のフィチン酸で、お口の中の爽快性を高めている処方になっています。

リステリントータルケア

【効能】

歯石の沈着予防、歯垢の沈着予防、歯肉炎、口臭の予防、自然な白い歯へ、口中の浄化

これも効能の数は多いですが、洗口液で言える内容が多いです。

【薬用成分】

1,8-シネオール
ユーカリにも精油として含まれていることが知られている成分で、 強い殺菌・防腐作用がある。
チモール
芳香性のにおいと刺激的な味を持つ殺菌剤で歯科治療でも広く用いられる。
サリチル酸メチル
清涼感のあるにおいがあり、医薬品の消炎鎮痛剤としても広く使用されている。
ℓ-メントール
はっかのような香気と清涼感のある味を有し、着香料として広く食品に使われる他、防腐剤・消炎剤として広く使用されている。
塩化亜鉛 歯石の沈着

実はこの成分と訴求内容が、このメーカーの出している他の洗口液のものと全く違いがないので、どう違うのか、メーカーに問い合わせて聞いてみた所、「この中のいくつかの成分(どれかは社外秘なのでお答えできませんとのこと。)の濃度を上げて配合することにより液体歯磨きの認可を得ました」とのこと。このように、濃度の違いで液体歯磨きにランプアップしている製品もあるようです。

洗口液 商品一覧

 

ガムナイトケア

【効能】

口臭および歯肉炎を予防、歯肉炎に伴う出血を防止。

【薬用成分】

塩化セチルピリジニウム(殺菌剤CPC)
トラネキサム酸(TXA)

モンダミン メディカルケア

【効能】

口腔内の原因菌を殺菌、歯ぐきのハレと炎症を防ぐ、歯ぐきからの出血を防ぐ

【薬用成分】

セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)

グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)

トラネキサム酸(TXA)

リステリン オリジナルマウスウォッシュ

【効能と薬用成分】

1,8-シネオール
ユーカリにも精油として含まれていることが知られている成分で、 強い殺菌・防腐作用がある。
チモール
芳香性のにおいと刺激的な味を持つ殺菌剤で歯科治療でも広く用いられる。
サリチル酸メチル
清涼感のあるにおいがあり、医薬品の消炎鎮痛剤としても広く使用されている。
ℓ-メントール
はっかのような香気と清涼感のある味を有し、着香料として広く食品に使われる他、防腐剤・消炎剤として広く使用されている。

 

どれを使用するとしても、「ブラッシング」をして、「プラークを除去」しないと虫歯・歯周病の根本的な予防はできません

「液体歯磨き」や「洗口液」はそのコマーシャルの仕方にも問題があるかとは思いますが、ややもすればそれを使用するだけでお口のトラブルが一気になくなるような印象が少なからず植え付けられているように思います。でも、残念ながら、お口の中の状態を悪くする一番の原因である細菌は、プラークという塊になって悪さをしているので、それは歯ブラシを使ったブラッシング、フロスや歯間ブラシなどをもちいた口腔内清掃を行わない限り取り除けないのです。

液体歯磨きにしろ、洗口液にしろ、そういうお口の中の状態の時の使用することで、菌の繁殖を抑えたり、歯茎の出血などの不快症状を取る効果を発揮します。ようするにお口の中が気持ちの良い状態をキープするためのものだと考えてください。

 

いかがでしたか?洗口剤と液体歯磨きの違いについての疑問を解決するお手伝いが出来たら幸いです!

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