ロート製薬「ハレス口内薬(dr.ハレス)」について大考察!新規の有効成分のアラントイン&カルバゾクロムとは?メカニズム、効果について。

ロート製薬ハレス口内薬 歯周病

以前過去記事で

歯周病は塗り薬を塗ったら治るのか?市販薬の歯槽膿漏薬の真実を現役歯科医がバッサリ!
巷にあふれる「歯槽膿漏」の塗り薬ですが、これは歯周病を治す効果があるのでしょうか?一般の人が誤解しやすいポイントについて、日本の医薬品・医薬部外品・健康食品事情も併せて現役歯科医師がズバッと斬ります。

 

現在市販されている歯槽膿漏薬の話を書きました。

 

歯槽膿漏薬って昔からある有効成分を持ってきては使用して、(←口が悪いですね。)代り映えがしないなあ。

 

と思っていた所に

ロート製薬さんが「ハレス口内薬」という新規の有効成分(アラントインとカルバゾクロムの組み合わせ)の歯周病薬が2017年3月21日から販売を開始されました。

 

私は市販のオーラルケア商品マニアですので、気になってどのような作用機序なのか調べてみました。

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ハレス口内薬(dr.ハレス)とは

 

ロート製薬ハレス口内薬

2017年3月21日にロート製薬からハレス口内薬(dr.ハレス)という第3種医薬品が販売されました。

ロート製薬は眼やスキンケアの会社ですが、

当社は「健康寿命の延伸に挑戦する」ことを掲げ、自社の健康経営に取り組むとともに、世界へ健康と美を提供する事業展開を促進しています。健康寿命の延伸に欠かせない要素のひとつが「口腔の健康」。当社の調査では50代で歯槽膿漏により歯を失った経験のある人は14.5%にのぼり※1、歯を失う原因となる「歯槽膿漏」に取り組むことは健康寿命の延伸に欠かせないと考え取り組んでまいりました。(ロート製薬ホームページより)

ということで最近はオーラルケアの商品開発にも着手しているとのことです。

当社は目や肌における細胞の‘生まれ変わる力’に着目して研究を続けています。「歯ぐき」、特に歯を支える「歯根膜」という組織はコラーゲンを主体とし、幹細胞も存在するという点で、肌と類似の組織であることに着目し本品の開発に着手しました。(ロート製薬ホームページより)

眼やスキンケアで培った開発ノウハウが今回の商品に活かされているということですね。

有効成分はアラントインとカルバゾクロム

で、今回発売されたハレス口内薬、薬として承認されるためには有効成分が必要です。

今回歯槽膿漏薬として承認されるために配合された成分は、

 

アラントイン

カルバゾクロム」です。

 

この2つが配合されることにより承認されました。

アラントインとカルバゾクロムはどんな成分か?その効果は?

ではアラントインとカルバゾクロムは

それぞれどういう成分なのでしょうか?

どのような効果をもたらすのでしょうか?

アラントインは真皮のコラーゲンの活性化を促す作用がある

アラントインは、

皮膚のハリに関係するたんぱく質、コラーゲン

が活発に産生されるのを助ける作用があります。

 

皮膚のはり・・・

歯ぐきは皮膚なんでしょうか?

 

歯茎と皮膚は見た目は異なりますが、構成や細胞の集団など、多くの部分が共通しています。

 

皮膚も歯茎も一番表面は外界からの刺激を遮断するバリアになる皮膚の細胞の集団(上皮組織)で、構成されています。

その下に、線維芽細胞の集団とそれらの細胞が産生する物質で出来ている真皮組織という構造があります。

真皮組織は、皮膚が傷ついた時は素早く再生を促したり、細菌が侵入してきた時には免疫細胞が働いたりと、皮膚に起こったダメージを修復する役割を担っています。

 

歯の断面図で示すと上皮組織を真皮組織は、このような2層構造になっています。

歯周組織の構造図

真皮組織には皮膚を再生するための細胞である「繊維芽細胞」という細胞がたくさん存在しています。

この繊維芽細胞が、コラーゲンをたくさん産生しているのです。

このコラーゲンが歯ぐきのはりなど特有の弾力の元となっています。これがたくさん産生されるようになるのです。

カルバゾクロム

カルバゾクロムは止血剤にも使用されている成分です。

ロート製薬が独自に、歯ぐきの真皮細胞に存在する「線維芽細胞」にカルバゾクロムを作用させた実験を行ったところ、

コラーゲンの産生が促進されることが分かったとのこと。

この成分もいわゆる歯ぐきの活性化を助ける働きをするという事ですね。

有効成分以外の処方内容について

これ以外にもいろいろと抗菌成分や抗炎症成分は配合されていて

アラントイン…0.3g
トコフェロール酢酸エステル…2.0g
グリチルリチン酸ニカリウム…0.4g
カルバゾクロム…0.02g
ヒノキチオール…0.1g
セチルピリジニウム塩化物水和物…0.05g

などが入っています。

有効成分とはして効果を訴求することはできませんが、

添加物の中のハッカ油でもデータを取っているらしく、

ハッカ油で歯ぐきの細胞である「線維芽細胞」が増殖するというデータも取っているようです。

ハッカ油とカルバゾクロムに『歯周組織再生』の基盤となる作用を発見 | ロート製薬株式会社

 

肌ケアのように使用することにより歯ぐきを強くするという狙いか?

このように、処方内容から見たら基礎化粧品の化粧水のように継続して使用して成分を浸透させて歯ぐきを強くするのがこの歯周病薬の狙いなのかなあと思います。

 

忘れないで!歯槽膿漏(歯周病)の原因は歯周病菌です!菌の存在をなくさずしてその症状は改善しません。

このように、ロート製薬は結構本気で、今までとは異なるアプローチで、歯ぐき細胞を活性化させていこうという意気込みでガチに商品開発したことがとても感じられましたが、

ただ、忘れてはならないのが、

歯槽膿漏(歯周病)の原因は歯周病菌なので、菌がいなくならない限り原因が取り除けない

ということです。

あくまで「緩和」であることに注意して。菌をきちんと取り除く(歯科医院での歯周病治療。歯ブラシ指導含む)なしに治ることはありませんよ。

過去記事でも触れましたが、

「歯周病は菌が原因」なのだったら抗生物質の薬だけで治るの?
「歯周病は菌が原因」だったら他の感染症と同じように抗生物質のような薬で治るんじゃないの?歯周病と他の感染症との違いや本当に必要な対処方法を解説します。

 

歯周病は菌が原因ですが、普通の感染症とは少し様子が異なり

菌が塊になってこびりついている(プラーク、歯石)ので、物理的に取り除くことが絶対必要

になります。

歯科医院に行ってしかるべき治療(歯周病治療、歯ブラシ、歯間清掃具の使い方の指導も含む)を受けない限り状況が改善することはありません。

 

あくまで治療を受けずにこのような薬を使っても「歯槽膿漏の諸症状の緩和」の効果しか得られません。

 

むしろ、歯ぐきの活性化を本当に得たいのであるならば歯科医院でしっかりと菌を除去した後に、今までの菌で弱った歯ぐきを整える目的で使用するほうがより効果がでるのではないのかなと思います。

 

いかがでしたか? すこしでも皆様の疑問にお応えすることができたら幸いです~!

 

 

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