以前詰めた詰め物や銀歯から臭いがするんです…。
気になるお口の臭い、自分ではよく分からないけど、なんだか昔入れた詰め物や銀歯から臭うような気がする…。
このような方、いらっしゃると思います。
実は昔詰めた銀歯や詰め物も口臭の原因となることがあるのです。
今回はそのような詰め物や銀歯が口臭の原因となる理由、治療法、対策について解説していきますね!
詰め物、銀歯から口臭が発生する主な理由はこれ!
実は銀歯、詰め物は一生ものではありません。
虫歯を治療したのだから、詰め物、銀歯は一生使える‥と思っていらっしゃる方も多いかと思います。
しかし、実際はそうではありません。
一度治療した歯もお手入れを怠れば再び治療が必要になります。
治療したからもう大丈夫・・と思って、詰め物や銀歯のお手入れをしっかり行っていないでいると、その詰め物や銀歯のふちの部分から虫歯菌や歯周病菌が入ります。
そうすると、お口のトラブルを引き起こす事があります。
そのトラブルの一つにお口の臭い(口臭)があります。
どのように臭いの原因になっていくのでしょうか?
銀歯、詰め物の中に出来た歯のトラブルがどのように口臭の原因になっていくのか具体的にご説明してきますね!
詰め物、銀歯の下が虫歯になっている
イメージ図
(左:詰め物のふちが虫歯になっている 右:詰め物を取ると中が茶色く虫歯になっている)
詰め物、銀歯で治療をすると、それで一生その歯が虫歯にならない、という事はありません。
むしろ、詰め物、銀歯のふちの部分は一回削っているのでその部分は歯磨きなどでしっかり毎日汚れを落としておかないと、そこから虫歯が侵入してしまうことがあります。
これを2次う蝕(虫歯)と歯科医院では呼んでいます。
虫歯は大きくなると、虫歯そのものの臭いと歯を溶かして代謝した残りかすの臭いが強くなることがあります。これが口臭の原因となることがあります。
詰め物、銀歯のふちの部分があっておらず、食べ物やプラークがたまっている
そもそも詰め物、銀歯のふちがあっておらず段差になっていることがあります(ステップ)。
このような段差には、食べ物のかす(食片)や細菌の塊(プラーク)がとてもたまりやすくなります。
このようなもの(食片やプラーク)が臭いを発して口臭の原因となることがあります。
詰め物、銀歯のふちから歯周病になっている
詰め物、銀歯のふちがあっておらず、そこに食べ物のカスやプラークがたまる場所が歯茎と接している部分の場合もあります。
そうすると、そこから歯周病菌が増殖し、歯と歯ぐきの隙間である歯周ポケットの中に入り込み、歯茎の骨を溶かしてしまう、いわゆる「歯周病」になることがあります。
歯周病になったら今までとは段違いに歯周病菌が増えます。
歯周病菌が「揮発性硫化物」という主要な口臭の原因となる化学物質を産生します。
その匂いは例えば「生ごみのようなにおい」とか「腐った臭い」とか特徴的な表現をされます。
このような物質が増えて口臭が感じられるようになります。
詰め物、銀歯の中に菌が入って根っこが膿んでいる
詰め物や銀歯がかぶっている歯の根っこの、もともと神経の入っていた管が臭いの原因になることもあります。
神経の入っていた管の中に虫歯菌ががいると、管の中も虫歯にしてしまいます。
管の中に虫歯が入ると、どんどん根の先のほうにまで増殖していって、根の先で膿の袋を作ります。
この膿の袋は大きくなると歯ぐきの骨を破って歯ぐきから膿が出てきます。
(関連記事↓)
この膿の臭いが口臭の原因となることもあります。
詰め物、銀歯の中の歯が折れてしまっている
詰め物、銀歯の中の歯のトラブルとして、中で歯が割れていることがあります。
歯が割れているとそこから細菌が感染して炎症を起こし、血や膿が出て臭いの原因になります。
また、割れた原因が虫歯だったとしたら、その部分が虫歯菌の臭いで臭くなることもあります。
このように、
- 虫歯
- 食べカス
- 歯周病
- 根っこが膿んでいる
- 歯が割れている
等の原因が臭いの原因になることがあるんです。
銀歯、詰め物の口臭を解消するには?どういう治療が必要なの?
このように、詰め物、銀歯が口臭の原因になることは分かりました、ではどうすれば口臭が解消されるのでしょうか?
これから銀歯、詰め物由来の口臭の解消方法について説明します!
詰め物、銀歯のふちが問題か内部が問題かチェック
まずは詰め物、銀歯のふちの状態を確認し、内部が問題かふちの部分が問題かをチェックします。
もし縁に汚れやプラークがたまっていて臭いが発せられているのでしたら、外さずその部分だけを治療、汚れを除去します。
必要であれば歯周ポケットの中を超音波スケーラーや汚れをかきとる機械で清掃する、という歯周病治療と同様の処置を行います。
詰め物、銀歯の中が問題だったら、外す
しかし、詰め物、銀歯の中が虫歯になっていそうな場合、またふちがあっておらず作り替えが必要な場合は、その問題となっている詰め物、銀歯を外します。
タービン、もしくは5倍速コントラという機械を使い、直接金属を削り取るような形で除去していきます。
詰め物、銀歯の中の虫歯の部分の治療をする
詰め物、銀歯を外した後、その中が虫歯になっている場合は虫歯の部分の治療をします。虫歯が大きく神経にまで及んでいる場合は神経の治療も一緒に行います。
詰め物、銀歯の神経の管を消毒する(根管治療)
また、すでに神経にまで虫歯菌をはじめとする細菌が感染してしまって根の先に膿の袋が出来ている場合、以前神経の治療をしたけれどそこにまた虫歯菌をはじめとする細菌が感染してしまっているとも見て取れた場合は神経の治療(根管治療)を行います。
これは神経の管に住んでいる虫歯を専用の器具で削り取るような形で除去し、何回か消毒して細菌が悪さをしないレベルまで減らす事が出来てから薬剤で緊密に充填する、といった治療になるので、3-4回、もしくはそれ以上治療の回数がかかります。
きちんとふちのあった詰め物、かぶせ物(銀歯、白い歯)を作製する
このように、虫歯の除去、根っこの消毒が終わったら、改めて新しいかぶせ物を作製します。
きちんとふちのあう詰め物、かぶせ物を作成する手段として自費の詰め物、かぶせ物という方法もあります。
再び口臭をはじめとしたお口のトラブルが起こらないようにするためにも、きちんとふちのあった詰め物、かぶせ物を入れることが重要になってきます。
実は、保険診療の範囲内だったら、精いっぱい治療は行っても材料の関係でふちの部分の適合の精度は若干甘目に出来上がってしまい、再び2次う蝕が起きてしまうリスクというのは比較的高くなってしまいます。
2次う蝕の起きるリスクを低くする手立ての一つとして、保険診療のように使用する材料が制限されない、自費診療での詰め物、かぶせ物での治療を選択するという方法もあります。
自費と保険の詰め物、かぶせ物の違い
保険の詰め物も精いっぱい適合が良くなるように作製してはいるのですが、制作の過程で使用できる材料に制限があるのでベストのふちのあい(適合)を保証できるわけではないのです。以下のような部分が異なります。
材質が違う
まずは材料が違います。保険で使用できる詰め物、銀歯は「金銀パラジウム」という材料を使用しています。金銀パラジウムは、〝日本の保険制度の中で使用できる高額にならない合金”で、終戦直後に突貫工事で開発されたものなので、世界標準ではありません。世界標準で歯に金属のかぶせ物、と言ったら金合金になります。
金合金は柔らかく、伸びもある合金で歯のふちにも合いやすい性質があるのですが、金銀パラジウムはそのような性質はありません。なので、保険の金属が若干甘目にふちが出来上がってくるのはそのような理由です。
金合金はこのようにふちに合いやすい性質を持っています。
また最近よく使わわれている、セラミックなどの白い材料も、削り出しなど、保険の金属とは異なる工法で作製されているので金銀パラジウム合金よりは適合性が向上しています。
型取りする時の材料が違う
型取りする時の材料も実は異なります。保険の際の型取りの材料(寒天アルジネート)とはことなり精度の高い型取りの材料(シリコーン)を使用しているので、精度が向上しています。
接着剤が違う
また、かぶせ物をくっつける接着剤も異なります。保険だとグラスアイオノマーセメントという歯に溶けだしやすい接着剤を使う事が多いのですが、自費だと歯に合わせた接着性の高い接着剤を自由に使用することができます。
詰め物、銀歯から口臭がしなくなるようにするための対策とは
このように、詰め物、かぶせ物を再び作製し、口臭の原因は無くなったわけなのですが、今後再発しないようにするために対策することが必要です。
それは普段のお手入れ、ブラッシングです。虫歯が出来ないようにかぶせ物のふちまで磨き、汚れがたまらないようにすることが肝要です。
銀歯や詰め物が原因の口臭を取り除くには歯科医院での治療が必要不可欠ですので、思い当たる人はぜひ歯科医院に行ってみましょう!
いかがでしたでしょうか?詰め物が原因の口臭について、知りたいことがお分かりいただけたでしょうか?少しでもお役に立てれば幸いです!
コメント