入れ歯とインプラント、どっちがいいの?特徴、費用、期間、メリットデメリットを徹底比較。あなたはどちら向きなのかが分かるチェックリストも大公開

インプラントを行うべきかどうか考えている男性インプラント

「歯を失って、先生に『インプラントにしますか、入れ歯にしますか?考えておいてください』って言われたんだけど、それぞれどんなメリット、デメリットがあるんだろう、よく分からないよ…。」

歯科医院で先生に歯を補う方法について説明を受けても、では自分はどちらがいいんだろう、入れ歯とインプラントのメリット、デメリットがいまいち整理できていなくお困りの方はとても多いと思います。ぜひこの記事で入れ歯、インプラントのメリットデメリットを理解して、自分にはどっちがあっているのかの判断にご活用ください。それでは始めていきますね!

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入れ歯、インプラント それぞれどのようなものなの?

そもそも、今まで入れ歯、インプラントを入れたことがない方は、それがどのようなものなのかもなかなか想像がつかないですよね。まずは入れ歯、インプラントの形状とその特徴からご説明していきます

入れ歯とは?

入れ歯とはこんな補綴(歯を補う)装置です!

入れ歯、特に部分入れ歯はこのような形状をしています。

いままで合った歯の部分を補う「人工歯」というパーツ、入れ歯をの位置を支えるため隣の歯にひっかける「クラスプ」といわれる金具のパーツ、ピンク色の入れ歯が歯茎の上に乗るための「レジン床」という床の部分のパーツ

この3つのパーツで構成されています。

入れ歯の特徴

特徴①取り外せる

入れ歯はずっとお口の中にある訳でなくて、とりはずしが出来ます。取り外すことによって、食事の後に取り外して入れ歯だけ洗ったり、夜寝るときは外して寝たりすることができます。

特徴②歯ぐきで噛む力を支える

入れ歯は歯が並んでいますが、基本歯の根っこはなく、それにあたる部分がピンクの床の部分になるので、噛む力は歯ぐきで支えることになります。

特徴③場合によっては歯を失った部分の隣同志の歯に金具(クラスプ)をかけて入れ歯を固定する

入れ歯を入れる所の両隣りに歯がある場合は金具を作り、その歯に金具をかけて、入れ歯を固定して、動かないような仕組みにしています。ですので、金具のかかった歯にもかみしめるときには力がかかることになります。

入れ歯を作製するのにかかる時間

入れ歯は一本入れ歯から総入れ歯、保険適用や保険外など、バリエーションが多く一概に言えませんが、作るのに必要な工程としては

型取り(2回する場合も)

高さ合わせ

仮合わせ

完成

調整

となりますので、いくつかの工程をいっぺんにするとして一番早くて2回で完成プラス調整に数回、通常は4,5回で完成、調整に数回掛かるかと思います。

来院までの間隔は技工士さんが院内で作製している医院か、外注に出しているかなどで変わってきます。

インプラントとは?

インプラントとはこんな補綴(歯を補う)装置です!

インプラントはこのような構造になっています。失った歯の根っこの代わりとなるのが「インプラント体」と言われる灰色の金属の部分です。この「インプラント体」を手術で埋め込みます。手術の後、ある程度インプラント体が歯茎の骨にしっかりくっついた時期を見計らって、歯ぐきより上の部分「上部構造」と言われる、かぶせ物の部分を作製していきます。

インプラントの特徴

特徴①手術で歯の根っこの代わりになる土台(インプラント体)を埋め込む

インプラントはインプラント体という歯の根っこに代わる土台を歯に埋め込み、歯茎の骨とくっつけることによってその上にかぶせ物を作る、という方法の歯を補う方法ですので、インプラント体を歯茎の骨に埋め込まないといけません。そのための手術が必要になります。

特徴②土台を埋め込んだ後にかぶせの部分(上部構造を作る)を作る

インプラントは手術を行ったらすぐ噛めるわけではなくて(一部「即時荷重」と言われる手術と同時に仮歯を入れるという方法がありますが、ごく一部でほとんどの症例では行われていません。)手術では根っこを埋め込むだけで、根っこより上の部分が出来るのは数か月後になりますので、完成するまでに数か月単位とある程度時間が必要です。

特徴③インプラントを埋め込んだ後定期的なメンテナンスが必要

「インプラントはできた後は他の歯と同じように扱えてお手入れ要らず」と思われている方も多いかと思うのですが、実はそうではありません。近年、インプラント周囲炎というインプラントの周囲に歯周病菌をはじめとする菌が繁殖してインプラント周囲の骨を溶かしてしまうという疾患があることが分かってきました。これを防ぐためには定期的なメンテナンスを行ってインプラント周囲を清潔に保つことが必要になってきます。ですので、最近はインプラントを埋め込む時はその病院で今後もインプラントのメンテナンスを数か月に一回行う事を条件として行う病院も増えています。

インプラント治療にかかる期間

本数にもよりますが、インプラントを入れる手術は麻酔を利かす時間も入れて、およそ1時間から3時間ほどです。麻酔は局所麻酔で行います。

インプラント手術の体への影響ですが、ドリルでインプラント体を埋めていくような処置になります。個人差はありますが、人によっては親知らずの抜歯のほうが痛かった、という位の影響だと想像していただいたらいいかと思います。

手術を行った後は骨とインプラント体のくっつき具合を確認しながら2か月から6ヶ月ほど放置します。その間は歯ぐきの中にインプラント体を埋め込んだままの状態で日常生活を送っていただくことになります。

そのあと、インプラント体の上に上部構造というかぶせが入るための治療を行っていきます、これも、土台の作成、型取り、装着といった治療を行います。これに数回かかります。

なので、治療完成までおおよそ半年以上はかかるとみておいてください。

入れ歯とインプラント、それぞれのメリットは?

このように入れ歯とインプラント特徴に大きな違いがあります。では次にメリットデメリットをお伝えします。

入れ歯のメリット

手術等の身体を切ったりする必要がない

インプラントと一番異なる所は、手術等身体を切ったりする必要がない所です。型取りやはじめのお口の中のコンディションを整えるための処置でお口の中を触ることはありますが、基本入れ歯の出し入れだけなので、作製途中に患者さんの負担になる処置は少ないです。

全身疾患があっても適用可能

インプラントは手術なので、血が止まりにくい人、糖尿病のコントロールがうまくいっていない人、高血圧でコントロールがうまくいっていない人、などなど、全身的な疾患があると行えない場合がありますが、入れ歯はどのような方でも適用可能です。

壊れても原則いつでもどこででも修理、新しいものが作製できる

入れ歯の良い所は壊れたらまたすぐ修理、新しい入れ歯が作れるところです。修理や新しい入れ歯は同じ歯科医院で行っても、前作った所以外の歯科医院で行っても、それは患者さんの自由です。例えば住む場所が変わっても入れ歯の事は気にせずに済みます。

比較的安価

入れ歯は自費から保険まで費用にバリエーションがありますが、保険適用のものであれば位置装置5000円から1万円の間くらいで作製することができます。

インプラントのメリット

今までと同様の噛む力を取り戻せる

入れ歯との決定的な違いは今まで同様程度の噛む力を取り戻せることです。入れ歯は歯ぐきの骨と粘膜でかむ力を支えているので、個人差はあるものの、以前ほどぐっとかみしめることが出来なくなります。ぐっとかみしめるあの感じを取り戻すことのできるメリットがあります。

装着の際の痛み、違和感がない

入れ歯は、個人差も大きいですが、装着の際に痛みや違和感を感じることがあります。インプラントは直接歯ぐきに埋まっているので、入れ歯で感じるような痛み、違和感がありません。

取り外しの必要がなく手入れも今までと同様なので扱いが簡便

インプラントは基本取り外しなしの治療になります。お手入れは歯ブラシや歯間ブラシ、フロスはある程度磨き方に工夫はいるものの、使う道具が増えるわけではないので比較的簡単です。また取り外すわずらわしさもありません。

入れ歯とインプラント、それぞれのデメリットは?

では次は、入れ歯とインプラントそれぞれのデメリットについて挙げていきます。

入れ歯のデメリット

かみしめたりする時の力が出せない。今までのように使用するのが難しい場合が多い

入れ歯は歯ぐきの骨や粘膜、周りの歯でかみしめている歯の力を負担しますので、どうしても以前のように思い切りかみしめると痛みなどが出るためかみしめられません。

取り外ししてお手入れをしなければならず煩雑

入れ歯は取り外しが必要な装置です。お手入れをする時は入れ歯も汚れているので入れ歯を外して入れ歯を洗わなければならず、歯を磨く道具以外にも専用の道具、そしてお手入れが必要になってきます。また寝る前に外して入れ歯洗浄剤に漬けたりしなければならないといった手間も必要になってきます。人によってはこのような処置を煩雑に感じるかと思います。

入れ歯を入れた後もしばらく口に合うまで調整が必要。その間は痛みや合わなさを感じる

入れ歯は装着したその日から快適に使えるといった装置ではありません。入れ歯を入れると数週間は何かしらの痛みや違和感を感じます。そのために調整で通院することが必要になってきます。また、調整をしても個人差はありますがなかなか慣れなくて、違和感を感じたまま過ごさなければならない場合もあります。

入れ歯の金具を掛ける歯に負担がかかる

場合によって入れ歯に金具がついているのですが、金具をかけた歯にはどうしても負担がかかり、抜けてしまう原因になる場合もあります。また金具をかけた歯には汚れが付きやすいのでお手入れをきちんとしないと虫歯になる可能性もあります。

インプラントのデメリット

費用が高額

インプラントは何らかの疾患を持っていない限り、自費診療になりますので費用が高額になります。インプラント体だけでも10万円以上、それにかぶせの部分(上部構造)の費用が上乗せされるので、数十万円は掛かる治療になります。

治療が完了するまでに時間が掛かる

インプラントは手術してしばらく待つ期間がありますので、かぶせの部分が入るまでに数か月単位で時間が掛かります。

手術が必要

インプラントは歯ぐきの骨にインプラント体を埋め込まなければならないので、手術が必要になってきます。

全身疾患のある人には手術できない場合もある

手術は誰でも可能な訳ではなく、骨粗しょう症の人、血が止まりにくい人、血糖、血圧がコントロールできていない人など、手術が不可能な人、場合があります。

歯周病など、歯の骨がしっかりしていない人はインプラントできない場合もある

インプラントは「インプラント周囲炎」という歯周病菌で歯ぐきの骨が溶けてインプラントが維持できない疾患になることがあります。もともと歯周病があり、インプラントを埋めるのに影響があると考えられる人にはインプラントが埋められない場合があります。

また、歯の骨がしっかりしていない人、歯の骨が薄く、他の部分、例えば副鼻腔に飛び出してしまいそうな人の場合はインプラントできない場合もあります。

壊れた時、元の医院でないと修理できない可能性が高い

インプラントのかぶせの部分が壊れてしまった、インプラントに使われているねじが緩んでしまった場合、インプラントは種類が多くて、修理するために必要な部品がそれぞれ異なるので、他の医院で見ても修理をすることが不可能な場合が大半です。

ですので、インプラントが壊れたり修理が必要な場合、インプラントを受けた医院以外では処置を受けることが出来ない可能性が高いです。

インプラントを入れた後も一定の間隔でメンテナンスのためケアを受ける必要がある

インプラントを入れたらそれで終わりなのでは無くて、インプラントを入れた後のお手入れが長持ちさせるのに重要になってきます。ですので、数か月に一回、インプラントのメンテナンスをずっと受け続ける必要があります。

高齢で自分での手入れがおこなえなくなった時にケアがしにくくなる

現在丁度初期にインプラント治療を受けられた方が高齢化してきていて、施設などで自分でお手入れできなくなり困難になってきているという問題が発生してきています。これは、インプラントの課題であり、まだ解決していない部分ではありますが。しかし、今後何らかの方法が取られることになっていくとは思います。

入れ歯とインプラント、それぞれの費用は?

先ほども少し記載しましたが、入れ歯、インプラントの費用の一つの目安としてはこのようなものになります。

入れ歯の費用

保険適用(3割自己負担)であれば、1装置 5000円から40000円 程度

保険外は費用に幅があります。

例えば上顎の総入れ歯の場合は

コバルトクロム床 20万円~

ステンレス床   30万円~

チタン床     40万円~

などがあります。しかし、この値段は医院によって個々に設定されていますので一概には言えません。

インプラントの費用

インプラントの費用も非常に様々です。

CTなどの検査診断費用、インプラント手術代、上部構造代などが発生してきます。

今のおおよその目安ですが

CTなどの検査診断費用 15,000~50,000

インプラント手術費用 100,000~400,000

上部構造費用 50,000~150,000

位のところが多いのではないでしょうか。

インプラントの費用のことを説明する時に「お寿司屋さん」を例に出す先生もいます。安くてお手軽な値段のお寿司もありますし、非常に高額なお寿司もあります。費用の高低差はスケールメリットの部分もあるでしょうし、こだわりの器具、材料などが関係している場合もあるでしょう。

それぞれの先生が特色を持ってその費用を設定していることが多いです。

 

入れ歯があっている人、インプラントがあっている人はこんな人(一例)

と、ここまで入れ歯のとインプラントのメリット、デメリットや特徴、費用、期間について述べてきました。最後に、今まで挙げた情報を踏まえて、入れ歯が合っている人、インプラントが合っている人のチェックリストを作成してみました。チェックすることで自分がどちら向きなのかを整理、判断する材料になるのではないかと思います。

入れ歯があっている人

□費用はあまりかけたくない

□手術を受けるのは嫌

□歯を補うまでに数か月もかかるのは嫌

□全身疾患がある

□歯周病が進んでいる

□外して洗う等のお手入れにあまり手間を感じない

□ある程度の合わなさ、違和感が許容できる

□他の歯に金具かかかることに関して嫌ではない。

□ぐっとかみしめる、などが出来ないことを許容できる

□これからも引っ越し、転勤があって将来今の場所まで通うのは大変かも

□高齢でお口の手入れに人の手が必要

インプラントがあっている人

□かみしめたい。以前のかみごこちを取り戻したい

□今まで入れ歯を入れたが許容できなかった

□他の歯に負担をかけたくない

□他の歯に金具がかかることを許容できない。

□取り外して洗うなど、今までと異なった取り扱いが増えるのは嫌

□手術しても構わない

□歯を補うまでにある程度期間がかかってもいい

□費用はかかっても構わない

□全身疾患がない

□重症の歯周病がない

□今の所から住居の移転をする可能性がなく、手術を受ける医院に今後も通う事が出来る。

□インプラントを入れた後も、数か月に一回メンテナンスを受け続けることが出来る

□自分の手でお口のお手入れが出来る程度の若さがある

 

 

いかがでしたか?入れ歯とインプラントのメリットデメリットについて、少しでも判断するお手伝いが出来たら幸いです!

 

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