「唾液が出ない・口が乾く」ドライマウス①唾液の役割・症状・原因

ドライマウスに悩む女性 口腔ケア

最近お口が乾いてきて…ドライマウスっていうのかな。これって病気なのかなあ?

お口のトラブルの中でよく聞く「口が乾く」状態。歯科では「ドライマウス」と言われています。ドライマウスとはどのような症状なのでしょうか?そして原因は?今回はドライマウスの症状と原因について掘り下げてみたいと思います。

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唾液の役割って?

ドライマウスのお話の前に唾液について少し説明させていただきたいと思います。

ドライマウスに大きな影響をもたらす、「唾液」とはどのような役割を持っているのでしょうか?

唾液は口を潤すだけでなく、様々な役割を持っています。

①消化作用

唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれており、食べ物、特にでんぷんを消化する役割を持っています。そのため、「お口は最初の消化器官」と言われています。

②歯の再石灰化、pH緩衝作用

唾液の中にはカルシウムをはじめとするが含まれており、これが歯の表面に常にあることにより歯の表面にカルシウムを供給し、いわゆる「歯の再石灰化」を行っています。

また、歯は、pHが低下することに弱い性質を持ちます。pHが低くなると歯の表面のカルシウムが溶けだしてしまうからです。そうならないように、唾液はpHを適正な範囲で保つ「緩衝作用」という作用を持っています。

③抗菌作用

唾液には、「ラクトフェリン」や「リゾチーム」といった細菌から身体を守る酵素や物質が含まれているため、抗菌作用を持っています。

④自浄作用

唾液は常に産生され、一日の唾液の分泌量はなんと1.5Lにもなります。そのような量がお口の中を流れているので、お口の中は常に洗い流されている状態になっています。その証拠に、唾液が減少すると虫歯がとてもできやすくなります。

⑤粘膜保護作用

唾液にはたんぱく質が含まれており、お口の粘膜を保護する作用を持っています。唾液が出ないと口角炎など粘膜の炎症が起きてしまいます。

唾液が出ない=ドライマウスによって様々なお口のトラブルが引き起こされます!

と、このように唾液は様々な役割を持っているため、ドライマウスがあると、ドライマウス以外にも様々なお口のトラブルを引き起こしてしまいます。

以下のような

  • 粘膜疾患
  • 舌痛症
  • 歯周病
  • 虫歯(う蝕)
  • 口臭
  • 味覚障害
  • カンジダ症
  • 摂食嚥下障害

さまざまなお口のトラブルの原因になってしまいます。

 

ドライマウスの特徴的な自覚症状

では、ドライマウスが起こったら、どのような自覚症状を感じるのでしょうか?いかにドライマウスに関連する自覚症状をまとめてみました。

  • 口が乾く、カラカラする。
  • 夜中に起きて水を飲む
  • 口の中がねばねばする。
  • 舌がピリピリする。
  • 味がおかしい時がある。
  • 食べ物が飲み込みにくい
  • 口で息をする
  • 話しにくい

直接ドライマウスの症状ではないのですが、

  • 口で息をする

→このような人は口呼吸のために、口腔乾燥が起こっている場合があります。

ドライマウスのお口の所見

また、ドライマウスになっている方のお口の中を診察すると、以下のような状態がよく見られます。

  • 口腔内の乾燥
  • 口腔内の発赤‥カンジダに由来する蕁麻疹のようなぽつぽつが見られます。
  • 口角のびらん
  • 虫歯(う蝕)‥根面う蝕や酸蝕歯のような虫歯が見られます
  • カンジダ症‥紅斑性のカンジダがよく見られます

ドライマウスの原因

「これがドライマウスの原因だ!」というメカニズムは実ははっきりとは分かっていないのですが、ドライマウスを引き起こす原因として

①唾液の分泌量が少ない、

②口腔粘膜の水分が蒸発している

③唾液を出す運動機能の低下、障害

に大きく分けて考えています。

①唾液が少ない

唾液が少ない場合、まずはシェーグレン症候群のあるなしで考え、シェーグレン症候群がない場合は以下のように分類して考えます。

①-1 唾液腺の異常

唾液腺そのものが何らかの原因で機能しなくなっている場合が考えられます。

この場合に当てはまる疾患としては、感染症、がんの放射線治療後、サルコイドーシス、加齢などが考えられます。

①-2 神経性の異常

唾液の分泌は自律神経によって左右されます。外傷による神経障害や、ストレス、不安によって交感神経優位になってしまっているために起こる場合があります。

 

①-3 薬剤の影響(薬剤性)

実はこの薬剤の影響によって唾液の分泌が少なくなる、という事がとても多くみられます。

血圧降下剤や向精神薬、精神安定剤は唾液の分泌を抑える効果を持っているものがあります。

また、その物自体が唾液の分泌を抑制する効果が無くても、何剤か同時に服用することにより唾液の分泌が阻害されることは多くみられます。

①‐4 脱水

身体の水分が少ないために唾液の分泌量が少ない、という事があります。糖尿病、熱性疾患、多尿症、下痢、嘔吐、水分摂取不足が挙げられます。

また、上の薬剤性とも重複しますが、利尿剤を服用していると、体の中の水分が減るので唾液量が減少します。

②口腔粘膜の水分が蒸発している(口呼吸)

口腔粘膜の水分が蒸発していることにより口腔乾燥が起こることがあります。これの主な原因は息をする時に口を開けて行っている「口呼吸」が挙げられます。

③唾液を出す機能が落ちている 障害されている

唾液は唾液腺で産生され、唾液腺の周りの筋肉に押し出されてお口の中に分泌されます。ですので、唾液腺周りの筋肉である、咬筋をはじめとした咀嚼筋や、舌の筋肉の動く機能が落ちたり、障害されていたりしたら、唾液の分泌が悪くなります。

 

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今回はドライマウスの原因、自覚症状、ドライマウスによって引き起こされるお口のトラブルについてお伝えしました。次回以降は、対処法などを詳しく解説していく予定です。

 

★オーラルケア豆知識★

唾液が出ず刺激に敏感になっている場合は保湿剤や柔らかい歯ブラシを利用するとお口のケアが行いやすいです。

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など口腔ケアに特化したラインも販売されているのでそのようなものを使用してもいいかもしれません。

 

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