歯科治療の苦痛が軽減される「笑気の麻酔(笑気吸入鎮静法)」とはどんな方法?

笑気麻酔を用いた治療に満足している患者のイメージ 歯科麻酔

「実は歯科恐怖症で…怖い気持ちを軽くするような治療法ってあるの?」

歯科の注射やガリガリという音が苦手で歯科に行きたくない。。そんな風に感じられている方は多くいらっしゃると思います。

このような音が気にならないようになる麻酔があったら…と思われるかと思いますが、実はあるんです。

麻酔にはいろいろな種類がありまして、そのうちの一つの方法として、治療の心理的や肉体的を軽減する「精神鎮静法」というものがあります。

今回はその中でも、「笑気」と言われる気体を吸うことによって行われる麻酔(笑気吸入鎮静法)についてご紹介しますね!

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精神鎮静法とは?

麻酔には色々と種類がありまして、意識を無くし身体を動かなくさせる「全身麻酔」という方法、治療する部位に注射で麻酔薬を入れることによって、意識ははっきりしているが治療する部位だけ痛みが無くなる「局所麻酔」という方法などが良く知られているかと思います。

そのような麻酔の方法の一つとして「精神鎮静法」というものがあります。この方法は、

お薬を使用することによって、患者さんの意識を失わせることはなく、歯科治療への不安や恐怖からくる精神的な緊張を和らげて治療をスムースに行えるようにする

といった、歯科の治療が怖い患者さんにうってつけの方法です。

精神鎮静法にはどのような方法があるの?

精神鎮静法には、笑気というガスを用いて行う「笑気注入鎮静法」という方法と静脈に鎮静剤などの薬液を注射して緊張を和らげる「静脈内鎮静法」という方法の2つの方法があります。

今回は、特に笑気吸入鎮静法に絞って記事にしていきたいと思います。

 

笑気吸入鎮静法とは

笑気吸入鎮静法とは、名前の通り、「笑気」と言われるガスを鼻に付けたマスクから吸入することにより、精神をリラックスさせ歯科の苦痛や恐怖を軽減する方法です。

笑気とは?

笑気とは、亜酸化窒素(N2O)と言います。

1772年にイギリスの化学者 J.Priestleyによって発見されました。その後、1799年にイギリス人の H.Davyが笑気を吸入することにより痛みを感じなくなることに気付き、その後複数の研究者が研究を重ねて抜歯の際に笑気麻酔を使用するようになりました。

口や鼻から吸入し、肺に入ることにより作用する、甘い香りのする刺激のないガスです。

吸入することにより不安や恐怖心が無くなり、リラックスした状態になります。

笑気吸入鎮静法の流れ

笑気吸入鎮静器

このような機械(笑気吸入鎮静器)を使って笑気ガスを吸入します。笑気ガスは笑気100%ではなくて、笑気20~30%、残りは酸素の混合ガスを吸入します。

このような

鼻マスク

鼻マスクを着けて行います。笑気吸入鎮静法を行っている間は安全確認のため血圧や脈拍などをモニターします。

 

吸入した時の患者さんの状態

吸入した時に患者さんが感じる表現として

  • 身体がポカポカする
  • 気分が良い
  • 手足がジンジンする
  • ほろ酔い気分である

などがよく聞かれます。

このような状態は笑気が効いていますので、患者さんに状態を確認した後、治療を行います。笑気吸入鎮静法はリラックスの方法なので、痛みに関してフォローするために局所麻酔を併用することが多いです。

 

治療が終了したら笑気を中断し、ふらふらするなどの症状があるようでしたら、100%の酸素に切り替えしばらく吸入してもらいます。その後、通常の状態に戻って10分ほどしたら帰宅可能です。

笑気吸入鎮静法を行った後に気を付けることは?

笑気は身体の中ですぐ分解され排出されるので、処置後通常の状態に戻ったら食事や運転などの制限はありません。

人によってはメリットも。笑気吸入鎮静法に適している人

笑気吸入鎮静法はリラックスして恐怖感のない状態で治療を受けられるために、恐怖状態で自律神経に影響が出ると身体に悪い影響を及ぼす患者さんなどについては安心して治療が受けられるといったメリットもあります。

例えば

  • 高血圧、不整脈、狭心症の患者さん
  • 脳貧血の既往のある患者さん

などです。

これ以外にも

  • 歯科に強い恐怖を持つ患者さん
  • 嘔吐反射の強い患者さん

にもおすすめです。

笑気吸入鎮静法が行えない方はこんな人

多くの人に使用可能な笑気注入鎮静法ですが、この鎮静法が使用できない患者さんもいます。以下のような方です。

  • 中耳炎の治療中の患者さん⇒耳の圧が高まり痛みが出る可能性があります。
  • 目の手術を受けた患者さん⇒手術時に使用された医療用ガスの関係で眼圧が高まるかの性があります。
  • 過呼吸発作の既往のある患者さん⇒呼吸に意識が行くため過呼吸発作を誘発しやすい可能性があります
  • 妊娠初期の患者さん⇒妊娠初期の患者さんへの安全性が確認されていません
  • 鼻閉のある患者さん⇒鼻から吸入するので吸えないと効果が発揮できない恐れがあります

気になる笑気吸入鎮静法の費用は?

笑気吸入鎮静法は歯科の保険診療の範疇に入っています。歯科の保険診療は、診療報酬と言われる点数制(1点=10円)になっていて、治療の内容により決められた点数が加算されます。笑気吸入鎮静法の場合は

請求点数 = 基本点数 + 笑気従量点数 + 酸素使用点数 
となっており、
基本点数は30分まで70点、30分を超える場合は、30分区切りで10点を加算。
笑気従量点数と酸素使用点数は購入した笑気、酸素の価格と使用料で決定されます。30分だったら大体笑気が90リットルなので65点、酸素が63点くらいになります。
ですのですべて加算して(70+65+63)198点です。
保険請求としては10倍になるので1980円、自己負担が仮に3割だと仮定すると594円になります。実際に窓口で支払う費用ははこれプラス実際の治療費や管理料などが加算されてきます。

笑気吸入鎮静法はどの歯科医院でも行えるの?

笑気吸入鎮静法を行う事は歯科医師のライセンスがある方でしたらどなたでも可能です。しかし、笑気吸入鎮静法を行うためには機械やボンベなどある程度の設備が必要になってくるので、それらの設備を整えた施設でないとこの鎮静法を受けることは出来ません。

残念ではあるのですが、実際に笑気吸入鎮静法を取り入れている歯科は少ないのが現状です。

 

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いかがでしたか?笑気吸入鎮静法の知りたい情報は見つかりましたでしょうか?お役に立てれば幸いです!

 

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