
歯科治療が長引いて、もう通うの難しいんだけど・・・
自己判断で中断していいのかな?何か対処法とかあるかな?
歯科治療は時として治療期間が長引くことがあります。
なかなか時間が作れない、また、異動や卒業、入学などで環境が変わってしまい、同じ歯科医院への通院が難しくなっている方も大勢いらっしゃることと思います。

お忙しいのは十分にわかっているのですが・・・
あなたに心の片隅に覚えておいてもらいたい、歯医者さんからの心の底からのメッセージがあります。
それは…。

治療を始めたら無断で中断しないでほしい、最後まで、せめてきりのいいところまで通院しないと歯が大変な事になってしまう!!!!
と、思っているということです。
歯科治療を自己判断で中断することによっておこる危険性
歯科医師が初めての患者さんを診るとき、
一番「もったいないことになってしまっている!」と思うのは、
治療を開始して、途中で数か月、数年単位で中断してしまった歯に出会ってしまったことです。
逆に、自分の患者さんが途中で来院が途絶えてしまった場合、その患者さんのことがとても気がかりです。
治療中の歯は、とても虫歯になりやすい状態 数か月治療期間が空くと取り返しのつかないことになる場合も

何故かというと、治療している歯は、治療をある程度区切りの付いている状態になるまで終わらしておかないと、さらにひどい状態になってしまうからです。
特に虫歯の治療中に来院がと絶えると、虫歯が進行し、最悪抜かなければならない危険性をたくさんはらんでいます。
虫歯の治療は、1回で済む治療もあれば、複数回かかる治療もあります。
複数回かかる虫歯の治療は、治療を進めている間は多くの場合が仮詰めの状態です。
仮詰めはあくまで ″仮” なので、詰め物は歯と緊密に接着している訳ではなく、数日は1,2週間なら大丈夫でも、数か月単位で放置していたら、詰め物と歯の隙間から唾液が漏洩してきます。
唾液の中にはもちろん虫歯菌が含まれています。
一方、治療中の歯は、機械で虫歯の部分が除去されており、そのため「象牙質」と言われる部分がむき出しになっています。
象牙質は健康な歯を覆っている「エナメル質」という部分よりも柔らかく、虫歯も進行しやすい状態です。
そのような部分が唾液にさらされている状態になっていると、あっという間に新しく虫歯になってしまい、どんどん進行していってしまいます。
特に、神経の治療をしている歯は、根の中心あたりを根の先のほうに向かって走行しているもともと神経の通っていた空洞(根管)に沿って虫歯が進行していきます。

根の中が虫歯になってしまうと、虫歯の大きさによってはその根っこを差し歯の土台として使う事が難しくなり、治療をそのまま続けて居たら抜かなくても良かったはずの歯を抜かないといけない、という事態になってしまう事もあります。
一回足が遠のくと行き辛さを感じてしまうかもしれませんが、誰にだって事情はあります。通院期間が空いてしまったことに関して怒ったり、そのあと気まずくなるなんてことはありません。

ただただ本当に、このような状態の歯は思った以上に虫歯が早く進行し、歯がボロボロになってしまうのですごく心配なんです。
ですので、もし、心当たりのある方は一刻も早く受診してください。
今通院している歯科医院に通院できなくなる際の対処法

もし、歯科治療をしている最中に、その医院に通院できなくなる場合、また通院できたとしても何か月か先になる場合は分かり次第先生に伝えてください。
伝えて貰ったら、最終来院日から逆算して治療を出来る所は早く繰り上げたり、封鎖性の良い仮の詰め物で充填するなど、患者さんが数か月来れないことに対応した治療内容に変更することが出来ます。
ですので、ぜひそうなった場合は教えてください。

そういう人たくさんいますし、来れないことを伝えても先生怒りませんから安心してください!!
通院している歯科医院に通えなくなったとしても、ぜひ新しい土地で歯科医院を受診し、今まで治療を受けていた旨を伝えて治療を受けてほしい。
もし遠方への引っ越しなどで通えなくなった場合は、もちろん通院していた歯科医院に来院できない、という事はやむなしですが、歯科治療は続けて通わなければならない治療ですので、

お早めに新天地でご自身が通える歯科医院を見つけて早く来院してくれることを望みます。
もちろんそうなる場合、もともと通っていた歯科医院に頼んで、今の治療経過を説明してもらう紹介状を書いてもらう事も可能かと思います。
もしそういうものが準備できなかったとしても、治療中の歯はレントゲン写真を撮影すると概ねどういう状態で治療が中断されたのかどの歯科医院でも分かります。
今まで治療していたところがあります、と言っていただけるだけで一般的な歯科診療は対応可能です。(インプラントや矯正など、特殊な器具を使用する治療は難しい場合もあります)。
新入学や異動など、人生の一大イベントがあるとどうしても優先順位が後になってしまいがちですが、

やはり、治療で救えた歯が抜かないといけないことになってしまうのは、長い人生を考えるととてももったいないことだと思います。

治療中の歯のことを忘れないで下さいね!先生めちゃ心配です。
ぜひ、心のどこかに留めておいてほしいとおもいます!
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