入れ歯を超えた「第4の歯を補う方法」とも言えるMTコネクターとは

MTコネクター(MTC)の説明MTコネクター

「入れ歯は床が大きくて装着するのが辛いし、インプラントも手術と聞くとなかなか踏み切れない‥。」

日々そのような悩みに頭を抱えていらっしゃる方も多いのではないのでしょうか。

私自身も歯科医師ですが、今まで正直なところ、患者様からそのような悩みを受けた時に希望をすべてかなえる歯を補う方法をなかなか提供するよい方法が思いつきませんでした。

しかし、この度「MTコネクター」という出会う事が出来ました。

MTコネクター、とは、カテゴリーは入れ歯なのですが全く新しい形状とコンセプトなので、入れ歯の範疇を超えており、「第4の歯を補う方法」と言ってもいいかと思います。

ここでは、まだ世間にあまり知られていないMTコネクターとはどのようなものか、それを発案した「宮野たかよし」先生とはどのような人なのか、ご紹介しようと思います。

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新しい発想の入れ歯、「MTコネクター」とは

MTコネクターとは、「宮野たかよし」先生が考案した入れ歯です。

百聞は一見に如かず。これがMTコネクターの形です。このように補う歯以外の部分は必要最小限の歯茎の床と、それをつなぐ必要最小限金属という、お口の中の歯以外の部分は必要最小限に作られている、という驚異の入れ歯です。この形状により、入れ歯をはめておられる方が感じておられる多くの不快感を解消することに成功しています。

では具体的にどのような部分が改善されているのでしょうか?

金具がない

この入れ歯はなんと、入れ歯を留めるための金具(クラスプ)がありません

どうして金具なしで作製出来ているかというと、歯のふくらみやへこみなどの自然の形状(解剖学的形態)を利用し、はまり込むようにしているためです。本当はもっと金具がないのに外れない深い理由があるのですが、長くなりますので、また別記事でお話させていただきたいと思います。

入れ歯を留めるための金具がないために、見た目がとても良く、入れ歯を入れているのがわからないというメリットがあります。

 

MTコネクターの審美性

余計な厚みや、歯茎を覆っている部分が少ない

入れ歯をはめておられる方の多くが、口の中に異物が入っている不快感、しゃべりにくさなどを感じているかと思います。それは、入れ歯が大きく歯茎を覆っている部分が多かったり、厚みがあるのが原因になっています。

この入れ歯は「ウイロニウムプラス」という合金を使用しているので、金属の厚みをわずか0.35mmの薄さにすることが可能です。また、歯茎を覆う床も必要最小限で済みます。

ですので、入れ歯が口の中のスペースをほとんど占領しないので、異物感やしゃべりにくいなど入れ歯を入れて生活する時に生じる困難さが劇的に改善されます。

MTコネクターのある部分

上のピンクの樹脂でおおわれた部分が入れ歯の床になります。通常の入れ歯と比べて少ないことは一目瞭然です。

 

新しい発想の入れ歯、MTコネクターの発案者「宮野たかよし」先生とは

私はこの入れ歯を見た時に驚きました。それまでの私は正直入れ歯というものにあまり期待をしておらず、あとは材質の技術革新とか、インプラントなど他の方法に頼るしかないのかなと思っていたのですが、この入れ歯には、今までの入れ歯は失った歯を補うための学問(欠損補綴)のエッセンスが詰まっていました。歯科の学問を臨床にまで昇華できる人はそうそう居ないと思います。

そのような入れ歯を考案した、宮野たかよし先生はこういう先生です。

宮野たかよし先生

入れ歯一筋の驚異の天才

1952年 大阪市に生まれ、高校卒業後、とある歯科医院で入れ歯製作との衝撃的な出会いを経て歯科技工士となりました。その後、日本歯科学院専門学校で常勤でずっと先生をされていたとのことです。その時に教鞭をとられていた解剖学の知識がふんだんにMTコネクターに活かされています。

その後、1990年に大阪歯科センターを開設。2004年にMTコネクターを考案、特許取得し現在に至ります。

宮野先生は入れ歯の抱える問題、患者さんの抱える問題にずっと真摯に向き合ってきました。現在知られている入れ歯を正確に作製する方法はすべて試し、創意工夫を凝らした結果、現在のMTコネクターに結実したのです。

宮野たかよし先生のサイト

そのような宮野先生をご紹介したサイトがあります。

 

大阪で入れ歯ならMTコネクター®開発者の入れ歯職人 宮野たかよし

 

宮野先生の人生は波乱万丈で漫画で販売もされています。

新しい発想の入れ歯、MTコネクターと他の歯を補う方法との違い

MTコネクターはどのようなものかは分かったけど、では、他の歯を補う方法とどのように違うのかという部分について、もう少し踏み込んで解説していきたいと思います。

インプラントとの違い

MTコネクターは手術の必要がない

インプラントとの一番の違いは、手術の必要がないことです。前処置として形の悪いクラウンやブリッジをやり替える必要がある場合はありますが、それ以外は通常の入れ歯を作製する方法と、かみ合わせの調整で治療が済みます。

インプラントをするのに手術が怖い人や、持病などで手術が難しい人には合っている治療です。

MTコネクターは自分の身体に合ったかみ合わせに調整できる。

実はインプラントはかみ合わせの面にネジが入っている構造になっているので、かみ合わせ面に天然歯が持っているような山や谷がなく、そのためどうしても自然な咀嚼が難しくなる可能性が高いです。対してMTコネクターは山と谷がしっかりとあり、顎の動きに沿ったかみ合わせが再現されているので、自然な顎の動きでしっかりとすりつぶす、かみ砕くなどの咀嚼が出来ます。

MTコネクターはインプラントとは異なり取り外しが必要

MTコネクターはインプラントとは異なり、取り外しする入れ歯ですので、お手入れなどもとりはずして行い、入れ歯用のブラシや入れ歯洗浄剤など、入れ歯をお手入れする必要があります。インプラントの場合は、お口の中にずっとついていますので、お手入れは数か月に一回定期的に歯科医院で専門の手入れは受けないといけないにしろ、通常の歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどのお手入れだけで済みます。

入れ歯との違い

次に、MTコネクターと入れ歯との違いです。

MTコネクターは金具がない そのため歯に負担も掛からない

これが一番わかりやすい違いではないでしょうか。MTコネクターには部分入れ歯にはある入れ歯を留める金具(クラスプ)がありません。そのため、見た目が良くなります。また、金具が残っている歯にかからないため歯に負担がかかりません。

MTコネクターは床が小さい

通常の入れ歯は床を大きくとることで入れ歯を安定させるという方法を取っていますが、MTコネクターは「かみ合わせを極限まで合わせているので入れ歯はほとんど揺れない」ので、そのため入れ歯の安定を床を大きくすることによって得る必要がなく、入れ歯の床を小さく、専門用語でいえば非可動粘膜の範囲内で作製できるので通常では考えられないほど小さく出来ます。

MTコネクターは顎の動きに合わせたかみ合わせを作る

これが一番大きな違いかもしれません。MTコネクターは、徹底して顎の動きに合わせたかみ合わせを作ります。

入れ歯を作成した時に、「痛い」ところは我慢してください。と言われた経験はないでしょうか?

実は痛い所は噛み合わせが合っていないために生じている場合が多いのです。MTコネクターは噛み合わせがあっていないと外れる構造になっていますので、必然的に完成過程までの間に顎の動きに合わせたかみ合わせを作り出すことができます。

と、いう事は今まであきらめていた入れ歯を入れた後の「痛い」感じや「合っていない」感じから解放されるということなのです。

ノンクラスプデンチャーとの違い

「金具が無くて審美性が良い」と言えば、「ノンクラスプデンチャー」という入れ歯も自費の入れ歯では同じ要件を満たしています。ではMTコネクターとどのような部分が違うのでしょうか

金具はないが、ノンクラスプデンチャーはピンク色プラスチックの部分で歯にひっかけているので、取り外しの際歯に多少なりとも負担がかかる

MTコネクターは「歯を留める金具は必要がないので存在しない」のですが、ノンクラスプデンチャーは「歯を留める役割は金具の代わりにピンク色の床の部分が行っているため目立たない」だけで、歯にはなにがしか引っかけて止める部分があります。

ですので、ノンクラスプデンチャーは入れ歯を出し入れするたびに歯に負担がかかります。

また、歯に留まっている入れ歯の部分にも力がかかりますので割れるリスクがあります。

床の大きさはMTコネクターのほうが小さい

ノンクラスプデンチャーは金具以外は他の入れ歯と同じ設計コンセプトなので、床の大きさはMTコネクターのほうが断然小さいです。

新しい発想の入れ歯、MTコネクターがあっている人はこんな人

以上のように、新しい発想の入れ歯、MTコネクターは様々な利点を持っています。

とくに以下のような人はそのような悩みを改善するのにはMTコネクターが適していると思います。

  • 入れ歯を留めておくための金具が見えてほしくない人
  • しゃべりにくい、違和感を感じる人
  • 食べにくさを感じている人
  • 入れ歯を入れたことでなんらかの不調を感じている人

今までの入れ歯では改善できなかったことが改善できるかもしれませんので、一度相談してみるのもいいかもしれませんね。

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いかがでしたか?MTコネクターについて持っていた疑問は解決できましたでしょうか?少しでもお役に立てましたら幸いです!

 

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※このサイトは歯科臨床の一般的な見解を記載しています。

全ての人の口腔内の状態や事柄が当記事の内容と一致する訳ではありませんので、実際に診察を受けた先生の判断に従ってくださいね。

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