今お口を開けたら見える所に銀歯があるんだけど・・セラミックとか、白い歯に変える事はできないかな?どれくらい費用が掛かるのかな?
虫歯があって治療したとき、虫歯の大きさが大きい場合や神経の治療をした後に「銀歯」になることがあります。
しかし、銀歯は目立つし出来ればセラミックのような白い歯に変えたいと思っている方も多くいらっしゃると思います。
しかし、銀歯をセラミックのような白い歯に変える事が出来るのか、費用はどれくらいかかるのかなど分からないことが多くて変えるのをためらっていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は、「銀歯を白い歯に変える事ができるのか」「銀歯を白い歯に変えるのにはどれくらいの費用が掛かるのか」について、解説していきたいと思います!
ズバリ、銀歯を白い歯に変えることは可能です!
まず、銀歯を白い歯に変えたい、と思ったときにためらう理由としては、
歯が痛くも悪くもないのに銀歯を白い歯に変えたいって歯医者さんに行っても良いの?
という所があるかと思います。
その点に関しては、
大丈夫です。
なぜなら、実は今の保険の銀歯の材料は歯医者さんも「ベストなものだ」とは思っていないからです。
銀歯の材料は「金銀パラジウム」と言われる、金、銀、パラジウムという貴金属とその他の金属が配合された合金です。
この「金銀パラジウム」という合金は実は日本での歯科治療でしか使用されていない合金で、他国では使用されていません。
歯科で使用するかぶせ物の金属は本来は金合金でされるものとして世界では考えられています。なぜならば体に安全で、虫歯にもなりにくい合金を研究して得た結果だからです。
ではなぜ日本では金銀パラジウムというマイナーな合金が使用されているのでしょうか?
実は、この金銀パラジウムという合金は、戦後まもない1961年に日本国民全員が安い価格で医療を受けられるようにしよう、という国民保険制度を制定する時に、コストを下げるために考え出された代用品なのです。
そのような問題があるということは分かりながらも保険制度の中でベストを尽くしながら歯科医師は治療をしています。
しかし、金合金やセラミックでは生じないけれども金銀パラジウムでは生じる問題(金属が溶けだす、出来上がりの精度が金合金ほど高くない)については、いつも頭の片隅で心配しています。
ですので、銀歯から白い歯やその他の材料に変える、というのは、やや難ありの材料から歯にとってより良い材料に変える事を患者さんが選択したという訳ですので、そのことに対して
「歯は悪くないのに見た目を気にしてかぶせ物をやり替えるなんて!」と憤慨する歯医者さんはいませんので、
銀歯から白い歯にやり替えたい人は何一つ臆することなく「銀歯から白い歯にやり替えてください!」と歯医者さんに伝えてください。
銀歯をやり替えるのにはどのような費用はかかるの?
さて、次に気になるのは費用ですよね。
銀歯を外して、そのあとに白い歯に替えるとなったら、
①銀歯を外す。その下が虫歯だったらしかるべき治療をする
↓
②土台を作る
↓
③白い歯(かぶせ物)を作る
という順序での治療となります。
白い歯をかぶせる治療は全部保険が使えないの?
セラミックなどの白い歯を入れるためにいくつか前段階の治療がありますが、それらには保険が使えるのでしょうか?
その前に、日本の保険制度について、少しおさらいです。
日本では”国民皆保険”と言って、医療は国が行っている国民健康保険という制度を利用できます。
この保険制度を使えば、保険診療と定められている範囲の中であれば、大部分を負担してもらえるので、自己負担は1割から3割で済みます。
しかし、この保険制度を使用できるには色々と厳しいルールがあり、それを守っていないと保険で負担してもらえません。
厳しいルールの一つに、『保険診療と保険で認められていない診療を同時に行ったら保険診療の範囲内であっても認められない』というのがあります。
セラミックで白い歯にするとしたら、すべて保険は効かず全額自己負担なのかな、という疑問がわいてきます。
答えは、かぶせ物の治療に関しては混合治療でも大丈夫です。
歯科治療は、かぶせ物の材料に色々なバリエーションがあるので、この混合診療のルールから除外している項目があります。
保険給付外の材料等による歯冠修復及び欠損補綴は保険給付外の治療となるが、この取扱いは、歯及び口腔に対する治療体系が細分化されている歯科治療の特殊性に鑑み、当該治療を患者が希望した場合に限り、歯冠修復にあっては歯冠形成(支台築造を含む。)以降、欠損補綴にあっては補綴時診断以降を、保険給付外の扱いとする。その際に、当該治療を行った場合は、診療録に自費診療への移行等や当該部位に係る保険診療が完結している旨が判るように明確に記載する。
(歯科通知文 第12部歯冠修復及び欠損補綴 通則21 にて定められた事項)
難しい文章が書かれていますが、
①銀歯を外す。その下が虫歯だったらしかるべき治療をする⇒保険治療でOK
②土台を作る⇒保険外治療
③白い歯(かぶせ物)を作る⇒保険外治療
となります。
銀歯を外したあと、中が健康であればそのまますぐ白い歯をかぶせる治療に移ることが出来ます。
しかし、銀歯を外した後に中が虫歯になったいたらしかるべき治療を行う必要があります。
どのような治療を行うかは関連記事
に詳しく書いてありますので合わせてごらんください。
歯の土台の費用はいくらかかるの?
虫歯があってしかるべき治療を受けた後、土台を入れる必要があります。
歯の土台って何?って思われる方は過去記事
をご覧ください。
セラミックを選択するのであれば、この記事に書いている土台の種類の中の
「ファイバーポスト+樹脂のコア」という土台になる場合が多いです。
これは最新の材料で、歯にやさしい強度としなりを持っています。
この土台を歯の中にいれる処置を行った場合、
全額自己負担時の費用はおおよそ1万円から3万円ほどになります。
それ以外の土台に関しては
ゴールドコアなど、金属の土台だと1万円から3万円位かと思います。
セラミックのかぶせ物の費用
セラミックのかぶせ物に関しては、最近は色々な製法のセラミックがあり、費用も様々です。
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などで記載しているCEREC というシステムを利用して作製したセラミックであれば安価なところであれば3万円台から、歯科技工所で手作業で色味などを詳細に合わせて作製されるものであれば10万円からのものが多いようです。
全額自己負担である保険外診療はそれぞれの歯科医院が価格設定をするので、医院によって違いがあります。
ここで記載している価格は目安ですので、実際のところは自分が治療を受けたい医院に確認を取るのが良いでしょう。
追記:保険で白い歯にすることも最近はできます。
最近はセラミックを配合したCAD/CAM冠という白く強度のある材料も保険診療として認められるようになりました。
この場合は土台も保険診療を使用することができます。
部位は決まっていて、小臼歯と言われる前から4番目、5番目の小さい奥歯と、下の前から6番目の奥歯に限定されています。
費用は1本7000円弱と安価ですので、「銀歯を白い歯にしたいけど費用が‥」と思っている方はこちらを考えてみるのもいいかもしれませんね。
いかがでしたか?銀歯からセラミックに交換することについて、疑問は解決できましたか?すこしでもお役に立てれば幸いです!
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