口腔外科医と普通の歯医者さんとの違いは?口腔外科医になるには?

口腔外科医の女医 口腔外科

口腔外科、って親知らずを抜いたりするところだけど、癌や手術もするし‥中にいるお医者さんってお医者さん?歯医者さん?

このような疑問をお持ちの方は多いかと思います。

今日はこの疑問「口腔外科にいる先生はお医者さん?歯医者さん?」問題にお答えしていきたいと思います。

また、口腔外科にいる先生はどのようなことを行うのか、どのようにしたら口腔外科の先生になれるのかも一緒にお答えしていきたいと思います!

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そもそも口腔外科とは?

総合病院など、少し大きい病院に行くと「口腔外科」という診療科があります。

名前にもあるように、お口(口腔)に特化した外科です。

過去記事↓

舌や顎、お口の粘膜などを診る口腔外科とは?紹介状は必要?
舌や顎、お口の粘膜などを診てもらいたいと思っている人は多いのではないでしょうか?虫歯や歯周病以外の疾患を診る「口腔外科」について解説します。

でどのような病気が口腔外科の分野なのか、詳しく解説しています。

口腔外科ではがんの手術や骨折の処置など、お口周りの外科的な領域はほぼカバーされています。

そして、実は、お口の中の外科的な事に関しては「歯科医師」も、ほぼ「医師」である外科医と同様の事が行えるのです。

Dr.Den
Dr.Den

ですので、口腔外科でお口や舌の癌のオペを行ったり、顎の骨の骨折を治したりするのは、多くの場合が歯科医師なのです。

歯医者さんて、歯を削るだけではないの?と思われるかと思いますが、実際のところ、ライセンス等はどのようになっているのでしょうか?次項でズバッと説明します。

そもそも、口腔外科にいる医師と歯科医師と治療できることは異なるの?

「口腔外科に所属していても歯医者さんだったら出来る事は限定されるんじゃ…」

と、思うかもしれませんが、口腔外科で行う事の出来る範囲は以下

口唇、頬粘膜、上下歯槽、硬口蓋、舌前3分の2、口腔底、軟口蓋、顎骨(顎関節含む)、唾液腺(耳下腺を除く部位)

この範囲であれば医師と同様に治療が行えます。

ただし、この範囲を超えた部位まで治療を行わなければいけなくなった場合は、その領域を受け持つ診療科の医師と連携して治療を行う必要があります。

口腔外科にいる医師と歯科医師で処遇は異なるの?

他に診療科がある病院では、医師と歯科医師の処遇は同じの場合が多いです。

口腔外科に医師もいるの?

逆に「口腔外科をしているお医者さん」はいるのでしょうか?

免許的にはお医者さんが口腔外科を行う事は可能です。以前は多かったと聞いていますが、今は非常に少ないながらもいらっしゃいます。

口腔外科医と普通の歯医者さんとの違いは?

さて、ここからが本題です。

口腔外科医と普通の歯医者さんには違いがあるのでしょうか?

実は保有している免許(歯科医師免許)に関しては口腔外科医も普通の歯医者さんも変わりはありません。

ズバリ、歯科医師免許を所有していたら口腔外科に携わることはできる

歯医者さんは歯を削ることを専門的に勉強しているので、「口腔外科医」になるのにはそれ以外の勉強と資格がいるのではないの?

と思われるかもしれませんが、、

実は、歯学部を卒業して、歯科医師国家試験に合格したら、法律的には口腔外科で働き、お医者さんのようにオペや外傷の治療を行う事は可能です。

口腔外科で治療を実施するのに必要な免許は「歯科医師免許」のみです。

実は歯学部ではお口の領域の外科的な診断、治療の内容はカリキュラムに含まれている

一般の方々が持たれている歯医者さんのイメージは

「虫歯や歯周病を治すお医者さん、歯を削るお医者さん」

また、歯医者さんを養成する歯学部のイメージは「歯医者さんになるための歯に特化した知識を学ぶ所」

といったものではないでしょうか?

 

実は歯医者さんのカバーする診療領域は一般の方々が思われているより広く、「お口の粘膜、舌や顎を含めたお口全体」を診ることが可能です。

お口周りの領域は、もし手術をしたとしても、かみ合わせを含めた歯の事が分かっていないと、お口の持つ機能である

  • 噛む、食べる事
  • しゃべること
  • 審美的な側面

などを熟知していないと回復することが出来ないからです。

ですので、歯の事を良く分かっている歯科医師がお口周りの疾患やケガなども治療できるように日本ではなっています。

ですので、歯学部でも、お口周辺の粘膜疾患、癌、外傷などはお医者さんで習う外科的な領域が勉強するカリキュラムに入っていて、歯学部を卒業する時には、お口周辺の事に限っては医師と同様な外科的な知識を持っています。

歯科医師の免許はそれらの範囲も含めて、「歯科医師」として認めていますので、

Dr.Den
Dr.Den

原則から言えば、歯学部を卒業して歯科医師国家試験を受験し、晴れて合格すれば、口腔外科の分野の診療は法律的には可能です。

口腔外科医になるには?

確かに法律的には歯学部を卒業して歯科医師国家試験に合格すればだれでも口腔外科医になれます。

しかし、口腔外科医としての診療を行うにはしかるべき大きい病院に所属している必要があります。

そして、大きい病院の口腔外科で勤めるには、それなりの研鑽が必要になります。

ですので、口腔外科医の先生は、歯科医師の中でも口腔外科領域を専門に行い知識を経験を深めて臨床に臨んている人が大半です。

口腔外科のスペシャリストになるための研鑽が必要

しかし、自分が「したい」と思っていても、もちろん歯学部を出てすぐ口腔外科領域のオペが出来たり診察が出来たりする訳ではありません。

法律的に口腔外科領域の診察は可能とはいえ、歯科医師免許の取得は口腔外科医のまだほんのスタートラインに立ったというだけでまだ何もできません。

「口腔外科」で一人前の治療が出来るようになるには、ここから先たくさんの経験と研鑽が必要になってきます。

研修医の際に口腔外科の医局に入局

「口腔外科医」になりたいと思い志す事を決めたら、何をすることが必要でしょうか?

「口腔外科」は一人ではできません。しかるべき施設と教えてくれる指導医のいる口腔外科の医局に入局することが必要になります。

口腔外科の医局は新しく入る人を募集していたら、入局することが出来ます。

中途でも採用してくれる所はありますが、臨床研修医での募集が一番多いです。

ですので、進路はできたら学生時代に決めておく方がいいでしょう。

歯科医師は、歯学部を卒業して、歯科医師国家試験合格後に必修となった一年間の臨床研修を受ける必要があります。

臨床研修で研修医を募集している口腔外科に応募し、夏に行われるマッチング試験で採用が決まると、歯学部を卒業し、歯科医師国家試験に合格した年の4月から口腔外科の医局に入局することが出来ます。

口腔外科の医局で経験を積みながら口腔外科学会で認定医・専門医を取得

口腔外科の医局に入局したら、はじめは指導医の指導を受けながら、オペのアシスタントや問診の取得などを通じて口腔外科の知識や経験を深めていきます。

何年か年数を重ねる中で、自分で治療の計画を立て、出来る治療を増やしていきます。

また、「日本口腔外科学会」という学会に所属している先生も大半です。

日本口腔外科学会に所属すると、口腔外科の最新の知識が得られるメリットや「口腔外科専門医」という資格を取る事が可能になります。

「口腔外科専門医」というのは日本口腔外科学会が

口腔外科学に関する専門的知識と豊富な口腔外科診療経験を兼ね備え、患者さんから信頼される

(日本口腔外科学会ホームページ)

口腔外科医を養成するために設けた制度です。

日本口腔外科学会に所属し、歯科医師(医師)免許取得後、初期臨床研修を修了してから6年以上、学会認定の研修施設(准研修施設)に所属し、口腔外科に係わる診療と学術的活動に従事して一定以上の実績を有すること(日本口腔外科学会ホームページ)

ここに書かれているように

  • 研修終了後6年経過
  • 学会が認定した研修施設に所属している
  • 口腔外科の診療をしている
  • 学会に参加、発表している

ことが取得の条件です。これらを満たして、テストに合格すれば「口腔外科専門医」となれます。

口腔外科の医局に入局している人は多くの人は「口腔外科専門医」を取得することを目指して日々研鑽しています。

 

また、最近では「口腔外科認定医」という資格も制定されました。

口腔外科認定医とは、口腔外科専門医の資格を目指す若手口腔外科医にとって、専門医取得に至る研修実績の中間目標として設定した資格です。

口腔外科認定医の取得には、初期臨床研修修了後2年以上の研修期間において、基本的な口腔外科診療の経験実績と学術的研修実績が求められ、その資格は、申請書類審査と筆記試験により認定されます。(日本口腔外科学会ホームページ)

若手の口腔外科医の先生が、専門医を取るまでの中間目標として設定された資格です。

臨床研修が終わってから2年経過すると取得することが出来るので、口腔外科専門医より取得しやすくなっています。

 

普通の歯医者さんでも「歯科口腔外科」と書いているところがあるけど?

実は、

 

Dr.Den
Dr.Den

普通の歯科医師(一般歯科診療施設)で、口腔外科で働いたことがない、口腔外科学会の資格も取得していない歯医者さんも「歯科口腔外科」という診療科を標榜することが出来ます。

これは法律(医療法)でも認められています。

口腔外科を行った事が無くても記載できるってどういうことなのだろう、と思うかもしれません。

実は、普通の歯医者さんでも、口腔外科に近い領域の治療、例えば親知らずを抜いたり、腫れている歯茎から膿を出したり、ということは日常的に行います。

普通の歯医者さんで勤めていても元口腔外科医の人もいらっしゃいますし、普通の歯医者さんでも癌のオペはできなくても親知らずの抜歯は得意、という先生がいらっしゃるのも事実です。

そして、そのような歯科治療の延長上のような口腔外科処置の経験が多く、そのような治療が必要な患者さんが来ても対応可能だと、普通の歯医者さんが判断した場合は自分の歯科医院に「歯科口腔外科」という診療科を記載しています。

ですので、「歯科口腔外科」と普通の歯医者さんで書かれていても、治療の範囲は限定されている事が大半です。

 

Dr.Den
Dr.Den

いかがでしたか?歯医者さんと口腔外科の先生について、疑問は解決できましたでしょうか?少しでもお役に立てれば幸いです!

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