顎変形症の手術について①上顎セットバック手術とは

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歯科矯正を行う時に、上あごや下あごの位置や大きさの骨格上のアンバランスを改善するのに外科手術を行う事があります。

今回は、そのような歯科矯正の一部として行われる外科手術の一つ、セットバック(上顎前歯部分骨切術)という方法について、動画も交えて解説していきたいと思います。

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歯列矯正を行う際、必要であれば顎の手術も行います。

歯医者さんが行う治療の中に「歯並びの矯正(歯列矯正)」があります。

歯並びが悪い、と一言で言っても、色々な原因があります。

歯の生えている向きが悪い、位置が悪い、歯の生えるスペースが狭い、などなど…

これらの歯並びの悪い原因のうちのどれに当てはまるかは、レントゲン撮影や歯型を取り、セファロ分析という顔のいくつかのパーツの位置関係の分析や歯の模型を使い明らかにしていきます

そのような検査、分析を経て歯列矯正の治療方針が決まります。

 

歯並びの悪くなる原因の中で、「顎の骨格による上あごと下あごの位置関係」に問題がある場合があります。

分析の結果、このような問題が明らかになった場合は歯並びだけ治療してもうまくいかないので、「上あごと下あごの位置関係を外科的な手術で改善する」といった方法が選択されます。

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「歯医者さんて、歯を削ったり歯周病の治療をしたりと、歯の事だけするお医者さんなんでしょ?」

と思っている方も多いかと思います。

歯医者さんは、実はそれだけでなく、お口と顎全体に関しても外科的な治療を行うことが出来ます。

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歯列矯正の治療の一環として外科手術を行う時は、矯正を行う先生と外科手術を行う先生は異なりますが、どちらも歯科医師の場合だ大半ですので、お互い連携を取りながら進めていきます。

顎変形症とは

歯列矯正の治療の一環として外科的な手術が必要であるという診断がついた場合、診断名としては

「顎変形症」という名前が付きます。

顎変形症と診断されると歯科矯正が保険適用になる

過去記事にも記載しましたが↓

 

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顎変形症と診断されると歯科矯正が保険適用になります。

顎変形症の治療の流れ

顎変形症と診断された場合、治療のゴールとしては、

「上あごと下あごのアンバランスさを無くし、正常なかみ合わせを作る」ことなので、矯正治療が必須です。

おおよその治療の流れとしては、

  • 術前の矯正で1~2年
  • 手術
  • 術後の矯正で1年
  • その後保定(きれいに並んだ歯並びを維持するための固定)期間

と、外科手術の前後に矯正の治療を行う事になります。

セットバック手術(上顎前歯部分骨切術)とは

今回は、歯列矯正で行う外科手術の一つであるセットバック(上顎前歯部分骨切術)について説明します。

この手術は、上顎の骨が前に出っ張っている(上顎前突)と診断されたときに行われます。

上顎の骨の一部(前から4番目の部分)を削り、骨が無くなったスペースを利用して部分的に上顎を奥に引っ込めることにより、上下のあごの位置を整える手術です。

上下のかみ合わせが整う事はもちろんですが、「出っ歯」と言われている顔貌の人で、特に上顎の出っ張り感を感じておられる方がこの処置を受けるとかなり改善されます。

 

医科では美容整形として顔の整形手術の一つの方法として行っている場合もあるが、歯科の場合は歯並びを整える手段の一部として行っているので、前後に歯列矯正が必須となってきます。

手術の流れ

下に上あごのイラストを示します。この灰色になっている部分の歯と骨を取り除き、前歯の部分のみ奥に下げます。ここでは模式的に書いていますが、実際どれくらい下げるか、3次元的にどの位置まで下げるかというのは事前に模型などを用いて綿密にシミュレーションを行い、手術に臨みます。

セットバック

前から4番目の歯を抜き、その部分の歯ぐきの骨ごと取り除く

この手術が適応される人は「上顎前突」上あごが出ている、いわゆる出っ歯の人が多いので、奥に引っ込めるスペースを作るために両側前から4番目の歯を抜きます。そして、両側の4番目の歯につながるように、上記の灰色のスペースの分の骨を切り取ります。実際は、切る、というよりドリルのような切削器具で削って骨を取り除きます。

歯茎の骨を取り除いたスペース分奥に引っ込める

そして、灰色の部分のスペースを切り取ります。

切り取れたら、前歯の骨が付いている部分は可動するようになるので、前歯のパーツを空いたスペース分奥に引っ込めます。

前歯を奥に引っ込めた後はプレートで固定

前歯を奥に引っ込めた後は金属のプレートとネジで可動させた前歯の部分と上あごの骨を固定します。

手術は2,3時間

手術はその人によってバリエーションはありますが、2~3時間位でしょう。

唇側の前歯のほうからメスを入れるため口の中の傷口は少ない

これらの処置は、多くの場合は唇側の前歯の上の方にメスを入れて、裏側から行うので、歯茎にはメスは入らず、お口側からの傷口は少ないです。

骨を削るため腫れる

手術の最中は麻酔が効いているので、痛みは感じません。

しかし、大量の上あごの骨を削るので、術後が絶対と言っていいほど腫れ、痛みを伴います。

また、個人差はありますが感覚や知覚の麻痺も起こる可能性があります。

始めの数日間は食事も通常のものは難しく、流動食的なものになるかと思います。

通常の感覚を取り戻すためには1か月近くかかると思っていた方が良いです。

 

※術式を見たい方のために

どのようなオペか興味のある方は海外で行われているオペのyoutubeを見つけましたので、ご参考にしてください。

一般の方はオペを見慣れていないかと思いますので、下の方に添付しておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしたか?すこしでも疑問の解決にお役に立てれば幸いです!

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※このサイトは歯科臨床の一般的な見解を記載しています。

全ての人の口腔内の状態や事柄が当記事の内容と一致する訳ではありませんので、実際に診察を受けた先生の判断に従ってくださいね。

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