歯石の成分:組成や形成過程について歯科医師がやさしく解説

歯石の成分について 歯周病

自分では歯磨きをしているつもりなのに、気が付いたら歯の裏側がザラザラ‥

気がついたら歯の裏につく歯石、不快ですし、歯周病の原因にもなります。でも取りにくいですね。

なんで気がついたらついていて、あんなに固く取りにくいのでしょう?

一体なんでできているのかな?歯石の成分について知りたい方、多いのではないでしょうか?

今回は歯石の成分について、なぜ歯石が付くのか、なぜつきやすく取りにくいのかについて詳しく解説していきます。

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歯石とは?どんな成分で出来ているの?

お口の中の汚れには食べ物の汚れ(食物残渣)や細菌が固まったねばねば汚れ(プラーク)などがありますが、個人差はあるもののそれと同じくらいの頻度で

歯と歯ぐきの間にくっついているカチカチの汚れ

があります。

これが

歯石

です。

「歯石」は他な汚れと異なってカチカチなのですが、どのような成分で出来ているのでしょうか?

歯石の主な成分は、リン酸カルシウムです。

歯石の種類にもよって、(歯ぐきの上に付くか歯ぐきの下に付くかで変わってきます)

おおよそ、16%~78%ほどの幅がありますが、リン酸カルシウムが含まれています。

 

リン酸カルシウムは「リン酸」と「カルシウム」の組み合わせ(結晶化構造)で硬くなります。

組み合わせはいくつかあり、性状もことなるのでそれぞれ異なった名前が付いています。

歯石を構成する主なリン酸カルシウムは

  • ハイドロキシアパタイト
  • ウィットロカイト
  • リン酸オクタカルシウム
  • ブラッシャライト

などがあります。

「ハイドロキシアパタイト」は歯を白くするとして歯ミガキ粉などで使われている成分で有名ですが、実は歯石の中の主要な成分なんですね。少し意外ですね。

 

最大80%ほどリン酸カルシウムが含まれていますが、残りはどのような成分が含まれているのでしょうか?

残りはプラークや歯茎から出てきた白血球の死骸などの「有機質」と呼ばれるもので出来ています。

リン酸カルシウムの割合が多いほど硬く、少ないほど柔らかくなります。

硬ければ硬いほど歯から取れにくくなります。

歯石とプラーク(歯垢)の違い

歯に付く汚れの代表的なものとしてプラーク(歯垢)がありますが、歯石とプラークはどのような点が違うのでしょうか?

成分が異なる

先にも書きましたように「成分」が異なります。プラークはほぼ100%細菌と細菌が産生したもので出来ています。この細菌の中には歯周病菌も含まれています。

細菌と細菌が産生した成分は柔らかい形状をしています。

歯石はそこにリン酸カルシウムがプラスされています。リン酸カルシウムはとても硬く、歯の表面にくっつきやすい性質を持ちます。

プラークは歯磨きで落ちるが歯石は歯磨きで落ちない

プラークは細菌の塊で、歯にくっつく力が弱く歯磨きで容易に除去できますが、歯石はリン酸カルシウムが強い力で歯の表面にくっついているので歯ブラシのブラシのような硬さのものでは取り除くことが出来ません。

歯石はどうやってできるの?どうして歯にくっついているの?

歯石の成分やどのようなものか、ご説明してきました。

では、「何で歯石が出来る」のでしょうか?

どのような過程を経て歯にくっつくのでしょうか?

始めは歯の表面はつるつる

歯磨きしたてで何もくっついてない歯の表面です。

歯磨きしたての歯の表面

汚れをすべて落とした直後の歯の表面です。

何もくっついておらず、つるつるしています。

ペリクルが付着した歯の表面

これが、数分も経つと、「ペリクル」と言われる唾液から出てくる糖タンパク成分が歯の表面全体にくっつきます。

歯の表面にくっついたプラーク

この「ペリクル」という糖タンパク成分を足場にして

細菌の付着した歯の表面

細菌がくっつきます。くっついて増殖したものが「プラーク」です

唾液から出たカルシウム(リン酸カルシウム)がプラークなどを固めてしまう(石灰化)して硬くなる

「プラーク」は歯の面全体に付着します。

しかし、実は歯石は歯の面全体に付着しません。

なぜでしょう?

実は歯石は唾液の出る出口近くの歯の表面に付着しやすいのです。

なぜなら、唾液の中に歯石の元となるリン酸カルシウムが多く含まれています。

ある程度の高さの濃度がないとリン酸カルシウムが結晶化しないので、唾液の出口に近い、濃度が高まっている部分の歯の表面に付くのです。

歯石の付いた歯の表面

下の前歯の裏と上の奥歯の頬っぺた側に歯石は付きやすい

ですので、歯石は、唾液腺の入り口あたり、上の歯でしたら前から6番目奥歯の頬っぺた側、下の歯でしたら前歯の裏側に歯石が付きやすくなります。

歯石の付きやすい位置

歯石の付きやすい位置

人によって歯石の付きやすさは変わる

唾液の性質には実は個人差があります。その人の唾液が酸性寄りかアルカリ性寄りか、またリン酸カルシウムがどれくらい含まれているかなどで歯石の付きやすさは変わります。

歯石の付きやすい人はこまめに予防を心掛けるか、歯科医院で定期的に除去してもらう事が必要になってきます。

 

いかがでしたか?歯石の成分について知りたい情報は載っていたでしょうか?

少しでもお役に立てれば嬉しいです!

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