虫歯で顔、頬が腫れる?とても痛い!放置すると怖い虫歯の腫れの対処法

虫歯で顔、頬が晴れた女性虫歯治療

虫歯があるのは気がついていたんだけど…。頬が腫れてきた!痛い!どうしたら良いの?

虫歯があることに気がついていてもなかなか歯医者さんに行かずに放置していませんか?

 

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虫歯の放置でなぜ頬の腫れ、痛みが起こるの?

なぜ虫歯を放置したら頬が腫れるのでしょうか?それは

虫歯が細菌であること

と、

歯の構造

に原因があります。

虫歯は「虫歯菌」が原因。歯を溶かして歯の中の神経に感染する。

虫歯はストレプトコッカス・ミュータンスという細菌が歯を溶かすことによって起こります。

虫歯菌は一箇所にとどまってはおらず、虫歯で溶かされた場所を中心に歯全体に拡散、増殖していきます。

虫歯の進行の説明

この図は虫歯の広がり方を説明しています。

虫歯菌ははじめは歯の表面にすみつき、歯を溶かします。(①)

歯を溶かしながら、どんどん歯の内部のほうに増殖していき、歯の神経の入っている空洞(歯髄腔)のところまで進んでいきます(②)

歯の神経に虫歯菌が感染すると、激痛が生じます。これは歯髄炎と言われています。

Dr.Den
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このあたりの虫歯が進行していく最中の痛みや症状に関しては関連記事に詳しく書いています

虫歯を放置したらどうなるの?虫歯の進行とそれに伴う症状、治療法
「虫歯があるのについ放置してしまって。。どうなっちゃうのかな?」そんなあなたの疑問もすっきり解決!虫歯を放置した時に起こる症状、治療法を虫歯の進行度に合わせて現役歯科医師が詳しく解説します。

激痛のまま放置していると、神経が死にます。

死んだ神経は虫歯菌以外の細菌の格好の餌でもありますので、歯の内部は虫歯菌以外の様々な細胞の格好の増殖場所となります。

ですので、神経の死んだ根の中は治療しない限りは細菌のすみかとなっています。

もちろん、虫歯菌の進行も止まることはなく、神経が死んでも根の先の方まで虫歯が進んでいきます。(③)

Dr.Den
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根の先には「根尖孔」と言って、神経が通るための小さい穴が空いており、そこから虫歯菌と、その他の細菌が歯の外に出ます。

そして、細菌が歯より外に出ると、(④)顎の骨に影響が出てくるのです。

根の先に感染があるといつでも頬がはれてしまうの?

根の先から少しでも細菌が出てくると、頬が腫れてしまうの?

 

Dr.Den
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顎の骨に感染が起こっても、いつでもすぐに頬が腫れるような大変な症状が出る、という訳ではありません。

なぜなら顎の骨には血管や血流があり、その中に免疫細胞がいて顎の骨周辺をパトロールしています。

細菌があると、免疫細胞は細胞を異物だと認識し、排除してくれるため、あまりおおごとにはなりません。

しかし、場合により急激にそれらの反応が大きく出て、根の先に感染が進み、以下のような症状が出てきます。

内部に膿がたまる
痛み
腫れ
口が開かない
熱が出る
この時に出る痛みは、細菌の感染により顎の骨が溶けるのと、顎の骨の中に生じる膿が骨を圧迫することによって生じるので激烈な痛みが生じます。
腫れも細菌が原因で起こります。頬が腫れるのは、細菌が頬の粘膜の下の部分(軟組織)に感染し、炎症が起きたことによって生じます。
口が開かないのも細菌感染のためです。顎周囲に感染し、腫れを始めとした炎症が起こると顎が開きにくくなります。
場合によっては熱が出ることもあります。

腫れ、痛みが出たらすぐに歯科医院へ行きましょう!

虫歯が原因で腫れや痛みが出ている場合は「細菌を排除する」といった、根本的な治療が必要になってくるので、自分で治そうとはせず、すぐに歯医者さんに行きましょう。

放置しておくと、更に細菌感染が広がって大きな手術や、場合によっては命の危険もあります。

歯科医院で行われる治療はどんな治療?

Dr.Den
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では歯科医院では頬が腫れた患者さんにどのような治療を行うのでしょうか?

歯科医院では、来院初日に腫れ、痛みを取る処置を行い、次回から、原因となった歯の治療を行います。

 

来院初日に歯科医院で行う痛み・腫れを取る治療

歯科医院では来院初日は腫れや痛みを取るためにどのような治療を行うのでしょうか?

主に下に挙げたような治療を行います。

腫れている部分を切って膿を出し、洗浄する。

腫れている原因となっている歯の歯茎の部分が腫れていて、触診すると膿を持っているのがわかるような状態の場合、腫れている部分に麻酔を掛けて、膿を出します。

痛みの原因としてたまった膿が外に出れず骨を押している、ということがあるので、しっかりと膿を出し、洗浄してあげることで痛みの原因を取り除くことが出来ます。

腫れの原因となる菌は空気を嫌う菌(嫌気性菌)の場合が多いです。

ですので、しっかりと切って空気に触れされるというのは効果的です。

切って膿を出した後もしばらくは膿が産生されるので、膿が溜まって排出されない、ということを防ぐため、切開した所にガーゼを入れたり、管(ドレーン)を入れて数日置くことが多いです。

抗生物質の投与

次に、抗生物質を投与します。

このような場合の腫れや痛みの原因になっている菌に効果のある抗生物質は

口腔内にいるばい菌で傷口から感染しやすいものはだいたい決まっているので、処方される抗生物質もだいたい決まったものが出されます。

具体的な抗生物質の種類としては

1)フロモックスメイアクトなどの第3セフェム系、2)サワシリンパセトミンなどのAMPC、

ペニシリンアレルギーのある人は

ダラシン、ジスロマック、クラリスクラリシッド

が処方されます。

頬が腫れた患者さんに歯科医院で行う治療(2回目以降)

Dr.Den
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2回目以降は頬が腫れる原因となった歯の虫歯治療を行います。

頬が腫れるということは、原因となった歯の根の先の方まで虫歯がある、ということです。歯の根の先まである虫歯を取り除き、無菌状態にしないと再び根の先が腫れてしまうことになります。

このような、歯の根の中をきれいにし、無菌状態にする治療を感染根管治療と言います。

この治療は完了するまでに数回(最短で3,4回ほど)かかります。

Dr.Den
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また、原因となった歯の虫歯の進行が大きい場合には抜歯になることもあります。

虫歯が進行し、根の先の大部分が虫歯になってしまっており、虫歯を取り除ききれない場合は抜歯になることもあります。

歯医者さんに行くまでに自宅で出来る痛み・腫れを取る応急処置

 

Dr.Den
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頬が腫れるほどの歯の痛みがある場合は絶対に歯医者さんに行ってほしいのですが、行くまでの間の痛みを和らげる方法としては以下のものが有効です。

冷やす

熱を持っている部分は炎症が起きています。

「冷やす」ことで血流を抑制し、痛みの原因となる物質の産生を抑える事ができます。しかし、感染での炎症は細菌を殺すために必要な部分もありますので、冷やしすぎるのは良くない結果をもたらします。あくまでも、歯科医院に行くまでの間の応急処置としてください。

解熱鎮痛剤を飲む

解熱鎮痛剤(NSAIDs)は炎症の時に生じる痛みや腫れを引き起こす原因物質である、「プロスタグランジン」の生成を抑える薬です。服用することにより痛みが緩和されます。

現在はドラッグストアでも購入可能ですので、必要な際は用法用量を守って服用できます。

また、歯科医院に来る前に服用した際は、どれくらい前にどのような解熱鎮痛剤を服用したか、歯科医師に伝えてください。

事前に服用された薬を考慮して歯科医院からの投薬がされることと思います。

 

 

Dr.Den
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いかがでしたか?虫歯のときの頬の腫れについての疑問が解決されましたか?少しでもお役に立てれば幸いです!

 

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