
金具が見えると入れ歯とばれそうで抵抗がある。。
しらべたら自費で金具のない入れ歯、ノンクラスプデンチャー、って色々あるらしいけど、その中の一つ「スマイルデンチャー」ってどんな入れ歯なんだろう??
自費の入れ歯には色々あって、
「金具のない入れ歯(ノンクラスプデンチャー)」といっても
作成する技工所によって素材や得意とするところが全く変わります。
何回かに分けて、幾つか種類のある金具のない入れ歯、ノンクラスプデンチャーの違いや特徴などについて説明していきたいと思います。
今回は「スマイルデンチャー」というノンクラスプデンチャーについてです。
スマイルデンチャーの特徴

「スマイルデンチャー」というノンラスプデンチャーはどのような特徴を持っているのでしょうか?これからご説明していきます。
特殊な樹脂でできており柔らかい
スマイルデンチャーの床のピンク色の素材は「スーパーポリアミド」というナイロン系樹脂で出来ています。この素材が特徴的です。
通常の入れ歯に用いられているピンク色の樹脂は「レジン」と呼ばれるプラスチックでできていて、固く、衝撃に弱く、例えば洗面所で落として打ちどころが悪かったら「パリン」と割れる、そのような材料です。
スマイルデンチャーの樹脂は、しなりに強く、指でも「ぐにゃ」っと曲がります。
お口の中に入れていても硬い感じがしないので、入れ歯を装着している、という感じをあまり感じません。
また、柔らかいので割れにくいです。
保険入れ歯の2分の1の軽さ、薄さ
また、素材の性質上保険の入れ歯より強いので、軽くて薄い仕上がりになっています。
厚さ1.2-1.5mmと非常に薄いですが噛む力に負けること無く使用することができます。
金具の部分が樹脂になっている
保険の部分入れ歯は残っている歯の部分に留め金として金具(クラスプ)がついており、口元に金具が見えてしまう、ということがありましたが、

スマイルデンチャーは金具の部分がピンク色の樹脂で作られているので、目立ちにくいです。
また、内側にも金具がないのでフィット感(舌触り、食べ物が入りにくい)が良くなります。
金属あり、シリコンありのものも選択できる
床の部分を全部ポリアミドで仕上げる以外にも歯の粘膜に当たる部分を金属にしたり、シリコンにしたりすることもできます。
裏打ちが金属のいいところは食べ物の熱さ冷たさを感じることが出来ることです。
特に上顎の部分を金属にすると今まで食べた感じがしない、と思われていた方も美味しさが蘇ってくる、と言われる方もいます。
また、シリコンは、下顎が痩せて少しの揺れでも痛みを感じる方など、入れ歯に痛みを感じる方の苦痛を軽減させる働きがあります。
スマイルデンチャーの素材の物性
スマイルデンチャーの素材であるスーパーポリアミドは
「アンブレイカブル」
というアメリカの歯科材料を研究開発しているメーカー、TCS社のブランドのものを使用しています。
TCS社はアメリカでも有数な熱可塑性樹脂を研究開発しているメーカーなので、今後もより良く改良された樹脂が使われることが期待されます
安全性に関しては
※CEマーク(欧州連合加盟国の品質基準・安全基準)取得
※ISO13485:2003(医療機器の品質保証のための国際標準規格) 取得
となっています。アメリカのFDAは審査が厳しいので安全な素材ではないかと思います。
データも記載されていましたので参考に掲載します。
物理的特長 | スーパポリアミド | アクリルレジン |
吸水性(24H) | 0.4% | 0.4% |
ヤング率 | 150-180 | 280 |
張力 | 8 | 5-7 |
圧縮強さ | 10.5 | 8.6 |
曲げ強さ | 8-10 | 8.5 |
衝撃強さ | 120-150 | 10.5 |
燃性 | 不燃性 | 可燃性 |
どのような技工所が作製しているの?
スマイルデンチャーは「三和デンタル」という歯科技工所が作製しています。
全国に取り扱う歯科医院があるので、そこで型取り(印象採得)や高さ合わせ(咬合採得)を行って、この技工所で作製してもらう、という段取りになります。
実際の作製は中国で行っているとのことですが、品質管理、安全性調査は行っており、品質を保っています。
取り扱いで気をつけるところ
これは、どの入れ歯にも言えることなのですが、

「入れ歯は入れたら終わりでなくて、ちゃんとメンテナンスしてあげなければいけない」ということです。
特に自費の入れ歯は定期検診を3ヶ月に一回は受けて、かみ合わせが変わっていないかなど確認してもらうべきでしょう。
また、この入れ歯は通常の入れ歯の素材とは異なるので、スマイルデンチャー専用の義歯洗浄剤を使用する必要があります。
費用
費用はインターネットで見たところ、自費診療なので医院によって差はありますが、
10万円くらいから、15万円〜16万円のところが多い
ように思います。
また、金属を使用する際は20万円、シリコンで裏打ち(裏層)する際は25万円くらいのところを見かけました。
所感
ホームページをみると、患者さんの満足度は高そうです。
入れ歯に抵抗があった方や初めての方もすんなり入れれました、と書いてあります。

しかし、安定な素材であっても永久に持つわけではなさそうです。
何かトラブルが合った時修理して再び使用する、というのは難しいのかな?という印象です。
どんな入れ歯でもかみ合わせが大事です。
あっていない状態でつけると・・・
歯茎の骨が減ってくる、ブラビーガムという状態になります。

痛くなく気がつかない状態でフラビーガムが進行したらという点が心配です。
どういう方におすすめか
以上の点から
針金が見えたくない、針金のベロ触りが嫌
両側の歯を削りたくない
インプラントは避けたい
金属アレルギー
にはおすすめなのではないかな?と思います。

いかがでしたか?スマイルデンチャーについて知りたい情報は得られましたでしょうか?少しでもお役に立てれば嬉しいです!
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