
同じ病院なのに、内科とか普通のお医者さんは予約しなくてもいいでしょ?なぜふつうの歯医者さんは予約を取らなくてはいけないの?
歯が痛くて歯医者に行くと、次の回からは
「当医院では予約制になっておりますので、予約を取ってお帰りください」
と言われることが大半だと思います。
内科や歯医者さん以外の他科の医院では具合が悪くなったらいつでも病院に行けるのに、なぜ歯科医院は予約をとらなければいけないのでしょう?
歯科と他の科との違いとは、歯科の特徴について今回は記事にしてみようと思います!
はじめての歯科医院来院日(初診)は検査が中心
そもそも、お医者さんにいくよりも歯医者さんに行くことのほうが少なく、行ったことのない方、行ったのは遠い過去の事えで覚えていないという方も多いはず。

お医者さんみたいに風邪引いて行ったらその日に風邪薬出される、みたいな感じだったけ?
とイメージされるかもしれません。

まずは、はじめての歯医者さんに行ったときに何が行われるかからご説明しましょう。
「歯が痛い。。。」となって、はじめての歯医者さんに行って、行われることの大半は
「検査」です。
- どの歯がどのような状態なのか、いつからなのかを丁寧にヒアリングする問診
- 骨の状態を調べるレントゲン、歯茎の骨の減りを調べる歯周ポケット検査、虫歯の検査など様々な検査
これらの検査を時間をかけて行います。
その後、検査の結果得られた「診断」を患者さんに伝え、
「応急処置」がなされます。

これら一連の流れを「初診」と言います。
↓★過去記事です!
https;//haishaikouze.com/2018/02/22/post-110/
初診で何をするのか、費用はどれくらいかかるのかもっと知りたい人は是非ご一読ください。
本格的な治療は2回目以降で行われる事が多い

え、悪いところってその日に治してくれるんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、
歯に対しての処置は「痛みをとる」などの応急処置のみで、根本的な治療は行わないことが大半です。
(医院によってはその日のうちに多くの治療を行うところもあるかもしれませんが、最近の歯科医院ではまれだと思います。)

根本的な治療が2回目以降の来院時になるには理由があるんです。
歯科医院の初回の診療はとても時間がかかる。
たとえば「歯が痛い」という場合、「この歯が痛い」と思っても、違う歯が痛い、なんてことはざらにあります。
また、痛いがどの歯が痛いのかわからない、痛いのが歯なのか歯茎なのかわからないということもざらです。
ですので、患者さんから問診で様子を聞いたあと、
- レントゲン(パノラマという顎の骨全体が写るレントゲン)
- 全ての歯の歯茎の検査
- 全ての歯の虫歯の検査
が必要になってきます。
そして、これらの検査はレントゲン検査以外は、歯科医師もしくは歯科衛生士が歯を一本一本丁寧に見て検査するので、非常に人手と時間がかかります。
検査の結果を元に診断するが、治療の必要な歯は今回の来院の原因となった歯以外にもおよぶ事が多く、それらの説明に時間を要する
そして、得られた結果を元に歯科医師が診断をしていくわけなのですが、
その時
実は今回の来院の原因になった歯以外でも治療が必要な歯がたくさんあったり
する訳です。
そうなると、順番を考える必要があります。
また、抜かないといけない歯がある場合は、その後の歯を補う治療方法も想定して、患者さんに説明しなければいけません。
また、歯は悪くなくても歯茎の検査の結果が悪い場合は、歯茎の治療をおすすめする必要も出てきます。

このように、歯医者さんは、今回トラブルのあった歯一本を見ている訳ではなく、最終的にお口の中が虫歯や歯周病になくなる状態を想定して治療の流れを考えるのです。
ですので、お口の中がどのような状況か、それを治す治療の方法、回数、、などなど話すことはたくさんあります。
そうなってくると、診断の後の説明にも十分な時間が必要になってきますし、
また、たとえば歯を補う治療方法など、患者さんに選択してもらう治療法に関しては一旦考えて来て次回意見を聞く、ということになりますので
本格的な治療は次回以降から、となることが多いです。

私は今痛い歯を治してもらえるだけでいいのに。。。

そう思われる方もいらっしゃるかと思いますが、たとえば他の歯が虫歯だらけだと、近い将来他の歯もそうなってしまう、今ならもっと軽い治療ですむのに、という場合も多いです。

ですので、見つかった虫歯をはじめとした歯のトラブルは早いうちに解決することをおすすめします。
これらのことを考慮すると、十分な時間と段取りが必要になってくるので、予約制を取っているところが多い。
このように、歯科医院の初診は時間と人手が必要です。
その上、日本の歯科医療はほぼ保険診療ですので、効率よく患者さんを診察しなければ医院としてたち行かなくなってしまいます。
患者さんに必要十分な検査と説明、それと効率を両立さるためにも現代の歯科医院は予約制が必須になっています。

確かに、かつての日本は虫歯が多く歯科医師も少なかったので、来たその日にできるところをバーっと治療して終了。。。という時代もありました。
しかし、その方法は決して虫歯になりにくい、歯周病になりにくいお口を作るための診療ではなくて、今ある苦痛から逃れるための診療になりがちです。
現代の歯科治療は、治療が終了した時には、再度虫歯や歯周病にならないように、残さず治すことが主流になっています。
それを叶えるのが予約制なのだということがわかっていただければ幸いです。

とはいえ、緊急性を要する場合や、痛みがひどくて根本的な治療(抜歯や神経の治療)を行うしかない場合はもちろん必要な治療を行いますので安心してくださいね。
2回目以降で行われる歯科治療は毎回が小さな外科手術。前もっての準備が必要。そのために予約制をとっている。

1回目は予約なし、っていうのはわかったけど、じゃあ、2回目以降は好きな時に行っても大丈夫なのでは?
と、思うかもしれませんが。。。
そもそも歯科治療はありふれた治療とはいえ毎回が外科手術のようなものです。
器具の準備もありますし、どのような手順で行うか、などカルテを見ながら事前に把握することが必要です。
治療を行う際は患者さんがこられる前に前もって準備をするためにも予約制というのは大事な役割を果たしているのです。

いかがでしたか?歯科医院の予約についての疑問は解消されたでしょうか。少しでもお役にたてたら幸いです!
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