★★動画を作成しました!!合わせてご覧ください★★
↓↓

空気中のウイルスが気になる…。次亜塩素酸水ってウイルスを殺す効果があるって言うし、空間除菌につかえるかも??
現在流行している新型コロナウイルス、、、
このウイルスは、飛沫感染といって咳などのしぶきでも感染します。しかも、湿度のある密室ではウイルスが数分から30分程度感染性を保持することがわかっています。
そうなると、空気に存在するコロナウイルスも気になってくるかと思います。
現在、高い殺菌効果を持つと脚光を浴びている次亜塩素酸水。
安全性も高いので、「空間除菌」に使えないかと考えている人も多く、皆さんの関心も高いところかと思いますので、
実際「次亜塩素酸水の空間除菌は可能なのか?」という点について、検証していきたいと思います。

次亜塩素酸水を空間の除菌に使いたいと考えている人は、スプレーでシュッシュっとお部屋全体に振りかけると、空気中の菌やウイルスが感染しないレベルまで減るということを期待しているのではないかと思います。
このような方法の空気の除菌が、はたして効果があるのかということについて順を追って説明しましょう!
「除菌」ってこんな効果なの⁉︎「消毒」との違いと気をつける点

空間除菌のお話をする前に、そもそも「除菌」って何なのか「消毒」と比較しながらお話をします。

この話は今後、スーパーなんかで消毒、除菌グッズを買う時とても参考になると思います!
スーパーで並んでる商品に書いていることばには「除菌スプレー」や「殺菌成分」や「消毒剤」などなど、色々な言葉が使われてますが、どういう違いがあるのでしょうか?
実はそれぞれの言葉があらわすものには明確な違いがあります。
1つは、菌を殺すか、殺さないかです。
消毒は「菌、ウイルスを殺して感染症が起こらないレベルまで少なくする」ことを表し、
除菌は「除菌効果のないものを使ったときと比べて、対象物から生きたウイルス、細菌数をある程度減らすこと」を示します。
なので、
感染症、すなわち菌やウイルスにかからないところまで微生物を減らすのが消毒、
菌やウイルスにかかるかかからないかはともかくとして、微生物を減らすのが除菌となります。
そして、
もう一つの違いは、
国の規制です。

実は日本は健康に関係する製品に使う表現をとても厳しく規制しています。
「消毒」という言葉が使える製品は国の法律、医薬品医療機器法(旧・薬事法)で規定されています。
「消毒」という言葉を使うためには
- きちんと成分が入っているか
- 入った成分にきちんと効果があるのか
- 2年先までどこで置いていても同じ効果を保つか など
非常に厳格な基準をクリアする必要があります。
厳しいだけに、効果はお墨付き、ということです。国の分類としては医薬部外品になります。

それとことなり「除菌」はそれぞれの製品の効果や品質は業界団体の自主基準で定められているものの、基本的には自由です。
同じ「除菌」という製品でもメーカーによって効果はまちまちで、国も効くかどうかは保証していません。国の分類としては「雑貨」になります。
まとめますと、
- 「消毒」と書いてある製品は「感染症が防げるレベルまでウイルスを殺すことができ、効果はお墨付き」であり、
- 「除菌」と書いてある製品は「菌を少なくする効果があるが、効果に関しては自己責任で使ってね」という製品である、と言えます。
そして次亜塩素酸水は・・・

厚労省の認可を受けていないので、雑貨という扱いになります。
殺菌効果はあるものの、その効果が一定かどうかは保証されるわけではない、ということです。
このあたりの話は前回の動画でも触れましたので、見ていない方は是非一度ご覧になってください。
.次亜塩素酸水は空間除菌、消毒ができるか?
さて本題です。

次亜塩素酸水は国から「消毒」の認可を受けていないので、出来るのは「除菌」になるわけですが、次亜塩素酸水は空間の除菌に効果があるのでしょうか?
・
・
・

うーん、実は「除菌」より高いレベルの「消毒」剤でも屋内の空気中の菌を殺す、って困難なんです。
屋内の消毒方法は、消毒液の空間散布があって、かつての日本でもなされていました。
しかし、
1.人体の健康被害や環境への被害が著しかったり
2.消毒にかかる費用や労力が無駄 という点から
今はかつてほどは行われていません。

理由を詳しく例を挙げて説明します。
消毒剤の空間散布ではオゾンやホルマリンという消毒剤がよく使われていました。人の体に使用する消毒剤であるエタノールなんかより、かなり強力な作用を持ちます。
しかしそんな強い消毒剤を持ってしても、空間散布はどうしても濃度的にむらがでてしまい、殺菌できる濃度でない場所ができるので、空気中の菌やウイルスを全て死滅させることはできません。
また、空気中を殺菌するにはかなり高濃度の消毒剤の散布が必要になるので、健康や環境への悪影響も懸念されます。

とはいっても全く消毒剤の空間散布が行われていないわけではなく、例えば鳥インフルエンザがでた鶏舎の消毒の際に使用されたり、人のすむ環境でいえば、特殊清掃、という業種の方などがされています。
こういう訳で、
・次亜塩素酸水であろうとなかろうと、空間に液を撒いて消毒、除菌するにはむらをなくすため大量の液が必要
・液を撒いた後は健康被害や環境への影響が考えられるのできちんと対応する必要がある
というところから
結論、いくら次亜塩素酸水が効果が高いと言っても、ご家庭でスプレーボトル程度の液買って
シュッシュとかけるだけでは空間除菌は到底無理そうです。

もし徹底的に薬剤を使って屋内の消毒除菌を行いたいのであれば、消毒のプロにお任せするのがベストかと思います。
いかがでしたか?次亜塩素酸水の空間除菌についてのお話、少しでもお役に立つことはできたでしょうか?
今回はここまでにしたいと思います。
今後も医療関係者として、皆さんの健康を守る情報を配信していきたいと思います!
コメント