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新型コロナウイルスの感染予防の消毒剤を買いたいと思っても、70%エタノールなんてどこにも売ってないし、、どうすればいいの?
こう思われている方も多いのではないでしょうか?
新型コロナウイルスに効果のあると言われてる代表的な消毒剤の一つが70%エタノールなのですが、市場では売り切れ続出、医療現場や研究機関など、本当に必要な所に届かないという深刻な状態になっています。
そのような中、朗報です!
「70%エタノールでなくても、市販品の洗浄剤、拭き取り剤、消毒剤で新型コロナウイルス予防ができる」という大学の調査が最近発表されました!
発表した大学は「北里大学」です
この調査結果では、スーパーなどで購入できる消毒剤、洗剤、石鹸などの中で、なんと21品目もの製品が、新型コロナウイルスの感染予防に効果があるとわかりました!
今回は、なぜ効果があるのか、ということと、全商品のリストと解説、そして使用時に注意することをお話ししています。
なお、製品のリストには有効成分も調べて追記しました。
元の調査結果には書かれていない情報ですので、あっ、この成分が効くんだ!と製品選びのお役に立つと思います。
北里大学からの調査報告の内容
先月令和2年4月17日、
北里大学の ウイルス感染制御学研究室I 片山和彦教授の研究グループから
「市販の洗浄剤、ふき取り剤で新型コロナウイルスの不活化効果を持つ商品についての調査結果」と言った報告がでました!
不活化効果、というのはウイルスの感染や、細胞への侵入を妨げる、ということです。
すなわち感染予防に効果があるということですね。
この調査の背景は、
新型コロナウイルスの消毒方法は、厚生労働省、国立感染症研究所などを通じて情報が提供されている*1*2*3。 しかし、一般に市場に流通している市販製品(医薬部外品・雑貨)にかかる不活化効果に関する情報は少ない。
とのことで、
確かに、厚生労働省などが、新型コロナウイルスの消毒法をお伝えしていますが、効果のあるものとして挙げられているのは
- 70%以上のエタノール、(いわゆる消毒用エタノール)か、
- 次亜塩素酸ナトリウム水溶液で、
次亜塩素酸ナトリウム水溶液は強アルカリ性の取り扱い注意の液体で、手指消毒には使えませんし、使い勝手がいいとは言えません。
そうなると、結局、使い勝手の良い消毒用エタノールを国中の人が購入するので、
その結果、市場から消毒用エタノールから品薄になってしまいました。
もともと消毒用エタノールはどちらかといったら医療や研究の場を始めとした業務用で使用されることが多く、なくなると仕事に支障がでます。実際支障が出ています。
そもそも、消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウム以外に効果がある消毒液はないのか?
というところに立ち戻って考えると、
新型コロナウイルス、に限って言えば、エタノールが70%より低い濃度でも、もしかしたら効果があるかもしれないけれども(なぜならば新型コロナウイルスはエンベロープウイルスというエタノールで壊れやすいウイルスなので。)調べていないからわからない、というところがありました。
そこで、今回、消毒用エタノール以外の消毒薬で、
一般の方がスーパーやドラッグストアでも購入しやすい、医薬部外品や雑品などの商品で、新型コロナウイルスの感染予防に効果があるものを調査してみよう、となったのが今回の経緯です。
70%エタノールでなくても大丈夫!? 消毒液、ハンドソープリストと解説
調査でわかったこと①70%以下のエタノールでもウイルス不活化効果があることがわかった。
この調査でわかったことの画期的なことの一つは
70%エタノールでなくても新型コロナウイルス感染予防はできるということです
市販品の調査以外に、この調査では
エタノール濃度をいくつかの濃度作成して、ウイルスの不活化に効果があるか実験しています。
その結果
50%、70%、90%のエタノールで不活化効果あり
10%、30%エタノールで不活化効果なし
と、50%エタノールでもウイルスの不活化に効果があるとわかりました。
今までエタノールの濃度が70%以上のものを選んで購入されていた方も多かったと思いますが、これで選択枝が増えますね!
②効果のあった消毒剤、ハンドソープ全リスト
では、ここからは調査結果からわかった効果のあるもののぜんぶ写真付きでお伝えします!
まずは消毒剤です。
消毒剤は次の3種、
ハンドスキッシュEX.、ビオレガード薬用手指用消毒スプレー、ビオレu手指の消毒液
の3つが効果ありでした。
この3つは手指消毒ができる医薬部外品です。
エタノールは55%と消毒用エタノールと比較して低い割合です。
消毒用エタノールと違うところとしては、第4級アンモニウム塩である塩化ベンザルコニウムが配合されているところです。
第4級アンモニウム塩というのは陽イオン性の界面活性剤です。
界面活性剤とはいわゆる洗剤や石鹸の洗浄成分の一つです。
界面活性剤は洗浄効果があるのですが、それに加えて、
この第4級アンモニウム塩という界面活性剤はプラスに帯電しているので、マイナスに帯電している細菌やウイルスに効率よく付着し菌やウイルスを破壊するといった効果もあります。
一つ弱点としては、
塩化ベンザルコニウムは陽イオンに帯電してその効果を発揮するので、陰イオンに帯電している界面活性剤、普通の石鹸や洗浄剤などと併用して使うと効果が落ちてしまうので注意が必要です。
ハンドソープ リストと解説
ハンドソープはこの3種類です
- ビオレガード薬用泡ハンドソープ
- ビオレu薬用泡ハンドソープ
- ビオレガード薬用ジェルハンドソープです
すべて医薬部外品で
殺菌成分として、イソプロピルメチルフェノールが配合されています。
ただ、石鹸やハンドソープはもともとの効果として泡で病原体を包み込んで皮膚から剥がす、という洗浄効果があり、
それそのものが感染防止に役立つので、ハンドソープに関してはウイルスを殺す効果は、正直なくても構わないのではとおもいます。
ちなみに、通常のハンドソープによる手洗いの効果は、
・流水で15秒手洗いで 約10,000個 (約1%)
・ハンドソープで10秒または30秒もみ洗い後、流水 で15秒のすすぎで 数百個 (約0.01%)
・ハンドソープで60秒もみ洗い後、流水で15秒すす ぎで 数十個 (約0.001%)
・ハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すす ぎを2回繰り返すと 約数個 (約0.0001%)
まで減少します。
森功次他:感染症学雑誌、80:496-500,2006 http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0800050496.pdf
洗剤や拭き取り剤でもコロナに有効⁉洗剤・拭き取り剤リストと解説
新型コロナウイルスの感染予防について考えると、手指消毒だけでなく、普段触るドアノブなどの生活環境、衣類等の感染予防も行いたいところですが、、
なんと、今回の調査ではそれらに使用する、洗剤や拭き取り剤も調査しています。
まずは拭き取り剤です。
- かんたんマイペット
- クイックルワイパー立体吸着ウエットシート香りが残らないタイプ
- クイックルワイパー立体吸着ウエットシートストロング
これらは住まいの拭き掃除に使用する洗剤であったりウエットシートです。
次は
- クイックルJOANシート
- クイックルJOAN除菌スプレー
- 食卓クイックルスプレー
これらは、食卓に使用したり、口を拭いたりするシートです。
トイレに使用する洗剤としては
トイレマジックリン消臭洗浄スプレーミントの香り が効果がありました。
そして次は
セイフキープ
これは医療施設などの業務用の拭き掃除用のシートです。
洗剤の処方にはあまり詳しくないのでコメントを控えますが、
住居用につかう洗剤は人に直接使用するものより強い界面活性剤も使用できるので、殺菌剤の効果に頼らなくても、ウイルスにも効果のある作りにできているのではないかな?
と思います。
衣類用洗剤、その他の洗剤のリストと解説
そして、衣類用洗剤やその他の洗剤はこの6つ
- アタック高浸透リセットパワー
- アタックZERO
- ワイドハイターEXパワー液体
- ワイドハイターEXパワー粉末
- ワイドマジックリン
- クリーンキーパー
が、効果がありました。
プロユースのものもありますが、市販のものはどれもスーパーなどでお馴染みのものばかりですね。
最後に
- リセッシュ除菌EXプロテクトガード
これは、衣類や寝具に吹きかけて除菌を行うタイプの洗浄剤なのですが、空気も洗浄できると書いています。
確かに今回のタイプの実験(ウイルスを液体の中で一定時間反応させる実験)では有効でしたが、
空間に菌が全くいないように除菌する、というのは至難の業です。
空間除菌の難しさについては他の動画でも説明しています
ので、そちらも合わせてご覧ください。
今回の調査結果について注意しないといけないこと
以上で今回効果のあった市販品のリストをお示ししました。
一つ、注意しないといけないところは、
今回の調査の実験では、すべて検査する薬液に「約1分」ウイルスを晒していることです。
実際の使用シーンを考えてこの時間にしたということですが、実際はもっと短い時間で行う場合もあるかもしれません。
短い時間しか使用しなかった場合の効果はどうなのか疑問が残るところですので、もし使用するときは、ある程度の時間(1分)は必要と思って使用するほうがいいと思います。
なぜ使用された市販品が1社のメーカーに偏っているの?
こっからはおまけです。
ここまでの製品を見てお気づきの方はいらっしゃるかもしれませんが、
実はこの製品、全て花○さんの製品なんです。
これって花○さんの提灯記事なの?
と一瞬思ったのですが、
調査結果の内容を読むと、
市販の医薬部外品及び雑貨については、十分な供給体制を確保可能なこと、また海外での使用への対応が期待できることを考慮した。また本研究にて評価した製品の選定にあたっては、本研究結果の公開に異議を唱えないことを前提として国内複数企業へ製品サンプルの提供を要請し、同意が得られた企業の製品を使用した。
って書いていましたので、
おそらくこの調査をするにあたって複数社に声をかけたのでしょうが、
・十分な供給体制
・本結果に意義を唱えないこと、(すなわち悪い結果が出たらそのまんま公表するね!ということ)
など結構ハードルの高い条件があったので、
同意してサンプルだす会社が他になかったのかなあ
と推測しています。
花○さんは、SARS(←これもコロナウイルスの一つ)のときも、SARSの不活化効果のある成分について調査していたので、今回出した製品はある程度自信を持ってだしたのでしょうね。
それにしても、出した製品22品目中21品目効果アリとは、すごいと思います。
前後して、本当に今の20倍の増産体制にしているところもすごい・・・。
この調査結果の取り扱いについての注意点
ちなみに、今回の調査結果はあくまで研究レベルのものなので、今の段階では公に
新型コロナウイルスの予防効果がありまーす!!
とはパッケージやメーカーの広報から言えるわけではないようです。
しかし、早急に新型コロナウイルスに対応していかなければいけない、今の国の現状がありますので、
国も何らかの柔軟な対応が取られるのではないのかな、と思います。
実際、国の機関である製品評価基盤技術機構(NITE)という国の機関が
新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価という
今回の調査で有効とされていた成分も含む、以下の成分
- 界面活性剤(台所用洗剤等)
- 次亜塩素酸水(電気分解法で生成したもの)
- 第4級アンモニウム塩
についての新型コロナウイルスに対しての有効性評価を開始しているようです。
この評価に関しては、また改めて次回以降記事にしていきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
今後も医療関係者として、皆さんの健康を守る情報を配信していきたいと思います。
それでは、皆さんの感染予防について、少しでもお役に立てれば幸いです!
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